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若月佑美が考える72時間の使い方

“病の写真家”と称される放射線技師の活躍を描いた映画『劇場版ラジエーションハウス』が、公開中だ。この作品はドラマとして、2019年にシーズン1、2021年にシーズン2が放送され、今回は待望の映画化となった。 そんな“チームラジハ”の集大成となる映画版に出演しているのが、女優の若月佑美。若月は、交通事故に遭ってしまう出産間近の妊婦・高橋夏希を演じる。人の生死を分ける“72時間”という壁と戦いながら、目の前の命と向き合い奮闘する医療従事者たち。その撮影現場で彼女が感じたことや、若月流の72時間(3日間)の過ごし方などを聞いた。

みなさんの仲の良さに驚きました

――ドラマ版のシーズン1、2を経て、主演の窪田正孝さんや本田翼さんを中心にレギュラーキャスト陣の一体感を感じる作品。今回、劇場版に参加されていかがでしたか? 若月佑美(以下若月):今回、私はゲスト出演でしたけど、現場でキャストのみなさんの仲の良さに驚きました。カメラが回っていないところでもあれだけ会話をしていると、お芝居でも目を合わせるだけで、お互いが何をしたいというのがわかるんだろうなと思って、羨ましく思いましたね。  ドラマも素晴らしい作品で、チームとしても出来上がっている現場に参加させてもらうということで、最初はすごくドキドキして緊張して行きました。現場では、キャストのみなさんがチームに迎え入れてくれる仲の良さで、たくさん話し掛けてもらって。私も一気に緊張がなくなっていって、とてもいい環境でご一緒させていただくことができました。 ――レギュラーキャスト陣の中で、共演の経験があった方は? 若月:浅野(和之)さんは、舞台「恋のヴェネチア狂奏曲」でご一緒させてもらった以来。それから、ドラマ「共演NG」でご一緒した山口(紗弥加)さんも「久しぶり!」って言ってくださって。浅野さんは前室でも隣に座ってたくさん話し掛けてくださっていたんですけど、チームラジハの中で浅野さんはイジられ役というか。その光景を見ていた山口さんが冗談で、「おじさんがそんな若い子に話し掛けないで!」っていうのを言われていて(笑)

山崎育三郎と作り上げた役

――今回の役どころは交通事故に巻き込まれてしまう妊婦でしたが、妊婦役は初めて? 若月:いや、舞台で一度やらせていただいていたんですけど、そのときは最初から妊婦さんではなくて、妊娠がわかって妊婦さんで終わるという役。今回のように、妊婦さんがメインではなかったのでとても貴重な経験でした。 ――夫役の山崎育三郎さんとのシーンが多かったと思いますが、夏希を演じるにあたって意識されていましたか。 若月:私が演じた夏希を助けるために、みんなが奮闘するというところにグッと引き込まないといけない。二人の回想シーンがあるのですが、そこでの夏希は明るくて、笑顔が似合う女性なんです。山崎さん演じる旦那の圭介はお調子者というか、キャラクター的にリアクションも少し大げさ。夏希の妊娠を知った圭介が、雨の中で傘もささずに喜びを爆発させたりする。回想シーンでは希望に溢れて明るく生きている2人だったから、事故に遭ってしまって「もう一度あの笑顔を見たいけど、見られないかもしれない」という寂しさが増してくる。山崎さんとそういう部分は意識して、一緒に作り上げていきました。
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寝続ける演技の大変さ
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