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ある日突然、逮捕・収監され借金1億円を背負った男性。彼が見た、刑務所内での「ヒエラルキー」

拘留中に背負った借金は1億円

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Prisoner氏が拘留された東京拘置所

 また、Prisoner氏が経営していた会社は休眠状態だったが、従業員に持ち逃げされたり、取引先からの入金拒否に加え月150万円ほどの固定費で1億円以上の借金を背負うことになった。投資家から集めて運用していた数千万円もそこに含まれていた。逮捕から6か月後には保釈されたため、クレーム処理などはその間に行った。  結局、借金は時効を使って大半を飛ばし、残りは出所後に自営業で得たお金で補填した。 「私を信じて出資してくれた人には申し訳ないので、お金に余裕ができたら必ず返すつもりです」  ちなみに留置所では控訴を行いながら、万が一の刑務所収監に備えて基礎学力を上げることに専念していたという。一体どういうことなのか。 「実刑になったら送られる予定の地方刑務所には入所試験があり、成績が良ければ刑務所内でやりたい仕事に就けるんです。中三までの国語と数学の学力を熱心に上げていましたね。あと、ペン字が上手くないと刑務官にバカにされるので、その練習もしました」  そして8か月後に高裁で再び敗訴し、2年6か月の実刑判決を受けた。

刑務所で目の当たりにした囚人のヒエラルキー

 その後、地方刑務所に収監され1年6か月をそこで過ごすこととなったPrisoner氏。  噂に聞いていた刑務所内でのヒエラルキーを目の当たりにしたという。 「3000人ぐらい収容できる大型刑務所だったのですが、雰囲気は地方の底辺高校さながらでした。  偏差値20ぐらいのヤンキーのような人たちがスクールカーストで言うところの1軍。刑務所でもつねにオラついていました。2軍が私のような元一般人や、高校時代も2軍だったような人。  その中で性犯罪者は最下層。3軍、4軍すっ飛ばして5軍程度です。彼らは刑務所の中で少しでも調子づくと本当にぶっ飛ばされるので、おとなしくしている。生活ぶりも一見、真面目なので刑務官にも気に入られていましたね」  だが2軍どうしでつるんでも得るものがないと感じたPrisoner氏は自ら「5軍落ち」し、積極的に性犯罪者90人と交流を深めた。  うち、レイプ犯は30人ほど。性犯罪者が多く集まってくる場所だったため、効率よく情報収集できたという。そこで確信したのは、罪を反省している人が極めて少なかったことだった。以下、あくまでPrisoner氏の視点からみた様子を伝える。
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「出所したら、盗撮くらいはする」
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