ライフ

ある日突然、逮捕・収監され借金1億円を背負った男性。彼が見た、刑務所内での「ヒエラルキー」

「出所したら、盗撮くらいはする」

「性犯罪者に限ったことではないですが、誰ひとり反省などしていないんじゃないかと思ってしまいました。中でも元性犯罪者は揃って、『性暴行はもうしないけど盗撮ぐらいはする』と言っていましたし。おぞましいことを笑顔で言い放つ彼らは、男の私から見ても身の毛がよだつほど気味が悪かったです」  そして一日6時間ほど臨床心理士の指導のもとに行うTC(治療者共同体)というグループワークで、自身の犯罪について語り合うのが日課だった。  作文の課題や、グループワークの司会などを任されることもあるため、ホワイトカラー出身者が多い傾向にあったという。そこには元性犯罪者も多く参加していた。 「TCは臨床心理士の面談で選ばれる必要があり、3人に1人しか参加できない。とはいえアメリカで行われている集団精神療法を日本流にアレンジして取り入れてるだけで、実際の効果はまだわかってないらしいんですよ。  中には被害者役が女性を真似た声色で『なんでそんなことしたの?』などと問いかけたりするものもあって(笑)。そこではみんな猫をかぶっているので『反省してます』などと神妙なことを言っていました」  囚人たちが「裏の顔」を覗かせるのはその後である。  刑務所の夕食は4時半からと早く、平日は5時から8時まで、土日祝日は6時間ほど自由時間を与えられていた。Prisoner氏はその時間を使い、性犯罪者たちの実態に肉薄した。 「『P(ピンク)―1グランプリ』などといって性犯罪者たちが犯罪自慢をし、私が司会進行役のようになって回すようなこともしていましたね」  そのように囚人同士の立場で触れ合うことで、性犯罪者の「本音」を巧みに引き出していったPrisoner氏。彼らが他の犯罪者と異なる点は、早期の頃から犯罪の片鱗を見せていたことだという。

罪を反省していない囚人は、「目から念が出ている」

「いたって普通の家庭出身の人もいて、父親が上場企業に勤めていたりもする。  共通しているのは、ほとんどが小中学生の時点で何かをやらかしていて、下手したら幼稚園ですでに覚醒していること。中でも圧倒的に多かったのは、放課後に女子の机を漁って笛を舐めたことで目覚めてしまった奴。あとは、体操着や水着の匂いを嗅ぐなど。  天才は教えられなくても自ら才能を伸ばしていくと言いますが、自分が接触した範囲では、性的知識がなくとも8歳から10歳ぐらいまでにある程度開花していましたね。それがエスカレートして最後に性犯罪に行き着くんです」  そしてPrisoner氏が気になっていたのが、彼らの「独特の目つき」だとか。 「覚醒剤やってる人は、注射器を目で追ってたりする。窃盗犯なら金目のものをほんの一瞬だけ見る。性犯罪者も同じで、女性を必要以上に凝視する。目から念みたいのが出ているんです。  グループワークの臨床心理士がほぼ女性だったんですが、彼女らに対しても彼らはおかしな目つきで見ていた。おまけに既婚の某元犯罪者は、妻とのSEXでは射精できない体質だから自分はたくさんの女性とやる必要があるなどと言い出し、女性心理士が思わず『気持ち悪い!』と口走っていました」  また、性犯罪者たちの興奮を誘発する大きな要因の一つが「肌」だという。  露出度が高い服を着るほうも警戒心が薄いのではという意見については、「海外の女性もかなり露出した格好をしていますが、変な目で見ないようにするのが一応の常識だと言います。日本の男は露骨にジロジロ見過ぎなんですよ」と語る。  次回、Prisoner氏が獄中で見た性犯罪者たちの姿にさらに深く迫る。 【Prisoner氏】 2013年、親族トラブルが原因で逮捕・起訴され、敗訴。実刑判決を受け地方刑務所に収監。2017年に出所した際の全財産はわずか45000円、その上借金1億円を抱える。現在、自営業をしながらツイッター、公式LINEで性犯罪被害者の相談を行なっている。ツイッター:Prisoner1773
1
2
3
おすすめ記事
ハッシュタグ