日経新聞と雑誌を通じて、市場動向を定点観測
崎本:馬渕さんが投資の情報収集をするために、毎日行っているルーティンを教えてください。
馬渕:まず、基本的なことですが、日経新聞は必ず読みます。日経新聞には、その日のビッグニュースが必ずあるんです。そのタイトルと記事のURLをエクセルに入力して、ストックして、それに目を通しながら1週間を振り返ります。情報が蓄積されていくと、情報同士にリンクが生まれていきますからね。作業の時間がとれないという人は、日経電子版に記事保存機能があるので、それを保存するだけでもいいと思いますよ。
崎本:日経を通じて、今週は何があったのかという相場観や方向性を常に確認するのが大切なんですね。ほかに情報ソースにされるものはありますか?
馬渕:週末はビジネス誌を読みますね。『プレジデント』や『ダイヤモンド』『東洋経済』など。もし、ビジネス誌は難しいという方は、『ダイヤモンドZai』や『日経マネー』『週刊SPA!』の金融特集などもおすすめです。より実践できる投資手法が書かれているので、初心者の方にはわかりやすいと思います。
崎本:馬渕さんのYouTubeを拝見すると、IR情報をすごく重要視されている印象を受けます。
馬渕:アナリストという立場上、社長さんにインタビューをさせていただく機会が多かったんです。ただ、勉強していくうちに、「この企業はどういう苦しみを持ちながら成長するのか」「企業内のいざこざをどう解決するのか」「組織運用ツールにはどんなものがあるのか」など、実務をしないとわからない疑問がすごくたくさんあることに気がつきました。私がいまだに企業の一員として現場にいるのは組織の動きを知りたいからでもあります。
崎本:確かに実際に組織にいないと、リアルに体感できないことも多いですよね。
馬渕:IRを重要視するのも、その理由からです。組織人になってから、IR担当者の重要性に気がついたんですよ。たとえば、社長インタビューは1時間しかありませんが、そのセッティングなどを対応してくれるのはIR担当者です。やり取りするうちに「この人はレスが早い」「この人は仕切りがうまい」などとすぐにわかります。こうしたIR担当者たちのひとつひとつの対応が、企業の成長力につながりますから。