ニュース

航空機内のマスク着用をめぐってトラブル多発、現場CAが戦々恐々

外国人観光客受け入れも漂う物足りなさ

マスク 日本政府は国際的に異常なまでの厳しい水際対策を続けてきたが、6月10日から外国人観光客の受け入れをとうとう再開した。1日あたりの入国者の上限は2万人にとどまる上、添乗員付きのツアー客に限定しており、「海外では個人旅行が当たり前なのにこんなツアーで誰がくるのか」(旅行業界関係者)と物足りなさは否めない。  とはいえ、今後コロナの再拡大がない限り、基本的には受け入れ拡大に向かうのは既定路線といえる。そこで問題になるのはアメリカのようなノーマスクの国からの乗客だ。前述とは別のCAはこう話す。 「アメリカ人観光客から自分達の国ではノーマスクが認められているのに、なぜ日本でマスクを外してはいけないのかと言われれば、正直『ここは日本だから』という以外に反論はしづらいです。日本人でも夏で暑くなって外出する時には熱中症対策でマスクを外すのが励行されていることを考えれば、ますます難しい。こんな状況でチケットカウンターや搭乗ゲートで米国などの外国人乗客とCAが揉めるケースがあとを絶ちません。  以前、広島県呉市の地方議員がマスク着用をめぐって問題になっていましたが、暴れたり露骨に運航妨害でもしたりしない限り、法律的にはマスクをしてないというだけでは搭乗拒否はできません。そうして飛行機に乗って実際に飛行機が離陸した後でトラブルになったら目も当てられない」  岸田文雄政権はコロナ対策が評価されて高い支持率を保ってきたため、7月10日投開票を迎える参院選が終わった後もどの程度コロナ規制を緩和するかは見通せない。国内でもマスク着用に対する意識が今後下がるのは否めない中で、航空機など公共交通機関でのガイドラインの見直しは急務だろう。 <取材・文/松岡久蔵>
ジャーナリスト。航空業界、防衛など幅広い分野をカバー。「現代ビジネス」「東洋経済オンライン」「ビジネスジャーナル」などに寄稿。最近では日本の客室乗務員の労働災害事件、ライセンス問題、企業のガバナンス問題に関心がある。情報提供はTwitter:@kyuzoleaksまで
1
2
おすすめ記事
ハッシュタグ