本来は多額の報酬が発生する案件のところ、夫は会社を通さずに請け負ってくれた。彼氏の会社は無償で一流コンサルの力を借りることができたわけですが……。 「旦那は人がいいので、引き合わされた男が私の恋人だなんて一切疑ってないと思います。彼氏は私にすごく感謝してくれました。ただ経営がいきなり改善するわけもなく、今もまだまだ忙しそうで、私たちの間の空気は微妙に悪いままなんですよ。こんなに愛して尽くしているのに……純愛って難しいですよね」 ――家族としては夫を必要としており離婚する気は毛頭ないけれど、夫以外の男性と「純愛」をしている香奈子さん。彼氏との純愛を貫くために、夫に彼氏の会社を助けさせたのです。 　既婚者の女性が夫以外に恋をしている時点で純愛と言えないのではないか？ 百歩譲って、お互い離婚して再婚する覚悟があるならまだしも、離婚の意思もない二人の関係を純愛とは言えないのではないか？……という議論は尽きないと思いますが、冒頭でお伝えしたとおり人の価値観はそれぞれ違うものだし、「純愛」の定義はあいまい。ですから香奈子さんにとっては、その恋はまぎれもなく純愛なのでしょう。＜文／堺屋大地＞恋愛をロジカルに分析する恋愛コラムニスト・恋愛カウンセラー。現在は『現代ビジネス』、『文春オンライン』、『smartFLASH』などにコラムを寄稿。LINE公式サービス『トークCARE』では、カウンセラーとして年間で約1500件の相談を受けている。X（旧Twitter）：@SakaiyaDaichi