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キャンプの醍醐味「焚き火」を“もっと自由に深く”楽しむ方法(プロ監修)

BBQ鉄板は薪組みの自由度が高い

最もオーソドックスな薪組みのティピー型も、面が平らな鉄板だと組みやすい。フチが高くなっているので、燃えさしがこぼれ落ちる心配も少ない。ティピー型は炎が勢いよく明るく燃えるが燃焼時間は短い

 焚き火のベースとしての「鉄板」は、ほぼフラットな形状なので薪組みの自由度が高く、使い勝手はかなり良好だ。事実、太い丸太を2本並べて燃やすハンター型の焚き火でも、厚さ2mmの鉄の板はびくともしない。

太い2本の丸太のあいだで火をおこすハンター型の焚き火も、鉄板なら実現できる。丸太の間にたきつけや細い薪を挟んで燃やすが、やがて丸太もゆっくりと燃焼するので燃焼時間が長い。丸太の間隔を変えれば火力調整ができ、かまど代わりにもなる

 サイズが60×40㎝の鉄板なら、薪を載せるスペースの広さや形状が限られている焚き火台に比べると、ダイナミックで多彩な薪の組み方が可能だ。60×40㎝の鉄板はネット通販などでもしかも3,000円ぐらいからで販売されており、値段が安いという点も見逃せない。

焚き火料理のコツとは?

キャンプファイヤーなどでも使われる井桁組みは交互に2本ずつ薪を積み重ねていく、強い火力を得られる薪組み。鉄板の上なら薪も安定して燃える

 焚き火は調理もできる。高温で燃焼が安定する熾き(おき)の状態で調理をするのが焚き火料理のコツだが、平らなBBQ鉄板なら、熾きを溜めておきやすく、その上に鍋などを置くことで調理がしやすいというメリットもある。

炎を出さず、赤く燃焼している部分が熾き。明るいと見えにくいが、実は高温で燃焼している

フラットなBBQ鉄板の上でなら、熾きの上にポットや鍋を置けるので調理もやりやすい

 注意点としては、地面に熱が直に伝わってしまうため、四隅に石を敷くなどして地面から離して使うこと。全体が平らなので収納性に優れているほか、複雑なつくり込みもないので、使い終わったあとの手入れも簡単。左右の持ち手を使えば焚き火その移動もできる。  おしゃれ感はないかもしれないが、焚き火台選びに迷っている人は、選択肢に加えてはいかがだろうか。 <監修/伊澤直人(週末冒険会) 撮影/山田耕司 取材・文/後藤聡>
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焚き火の教科書

焚き火には人を惹きつける魅力がある

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