直線は長いが、コーナーはキツい新潟競馬場
「直線長い=大回り」ではない点に馬券のヒントが隠されている
内回り、外回りに加えて直線コースも行われる新潟競馬場。特に外回りは658.7mとJRA最長の直線を有しています。内回りも358.7mと標準程度の長さで、「大回りコース」という認識が強い競馬場でしょう。しかし、1周距離に対して直線の長さが占める割合が大きく、コーナー半径で言えばかなり小さく楕円形のような造りをしており、「小回りコース」と表現するほうが適切なのです。
夏に行われる重賞では、2021年の関屋記念勝ち馬ロータスランドがその後の重賞で好走したレースは、阪神競馬場内回りで行われた京都牝馬ステークスと、コーナー半径が急な小回りコースの中京競馬場で行われた高松宮記念。同年の新潟記念を制したマイネルファンロンも直線の短い中山競馬場で行われたAJCCで好走しました。特に上級条件に上がるほど小回り適性が重要になる点は意識しておくべきポイントでしょう。
こちらも、上記の傾向を踏まえて各コースの傾向をチェックしていきましょう。
・芝1000m(直線)
枠→7~8枠
脚質→逃げ・先行
7~8枠の成績が抜けており、特に8枠の勝率は抜けています。この条件ではとにかく外枠に入ることが第一条件で、その次にダッシュ力。スピードを活かして押し切る競馬がベストです。
・芝1200m(内)
枠→3~4枠
脚質→逃げ・差し
クラスによって脚質傾向が異なるのが特徴で、下級条件は逃げ先行が有利、上級条件では好位~中団からの差しも届きます。イメージと異なり小回りコースであるため、追い込み馬は共通して苦戦傾向で外を回すとアウト。
・芝1600m(外)
枠→5~8枠
脚質→先行・差し
やや外枠有利で差し追込みも決まりやすく、好位~中団から速い上がりタイムを出せる馬が理想です。下級条件ではスローペースになりやすく速い上がりを要求されますが、重賞やオープン特別で小回り巧者が逃げ粘るケースも発生。
・芝1800m(外)
枠→6~8枠
脚質→差し・追込
全場で見ても屈指の追込みが決まりやすい舞台。枠順や脚質の有利不利よりも、上がり3ハロンを33秒前後で走れるかどうかが重要となります。このコースに関しては各馬の決め手だけを評価する形で。
・芝2000m(外)
枠→1~4枠
脚質→差し・追込
直線が長く進路取りで手間取ることも少ないため、道中は内枠でロスなく競馬ができる馬が有利。実は小回りコースであるためコーナリングの巧さと、差し追い込み天国なので速い上がりに対応できる決め手が重要です。
・芝2200m(内)
枠→5~6枠
脚質→先行・差し
内回りコースで行われるため外回りコースよりも直線距離が短くなり、外回りと比較すると先行馬にとって有利な条件に。小回りコースかつ直線も外回りより短くなるため、決め手よりも立ち回りやポジション取りがより重要となります。
・芝2400m(内)
枠→2~4枠
脚質→先行・差し
道中のペースが緩みやすく、内回りコースで行われるため直線も短くなります。そのため直線一気が通用せず、先行馬が最も有利に。立ち回りが重要で、内枠に入った小回り巧者の好走が目立ちます。
・ダート1200m
枠→7~8枠
脚質→逃げ・先行
逃げ有利なコースで、差しが届く場合はハイペース時よりもむしろスローペースになった時。芝スタートで行われるため、より長く芝を走る事が出来る外枠が有利で、1~2枠の勝率は低い。
・ダート1800m
枠→1~4枠
脚質→逃げ・先行
スタミナが必要でマクリが成功しにくい。先行力と体力重視で勝負所までのポジショニングが重要になります。内枠から積極的な競馬ができそうな馬が狙いに。
夏競馬もいよいよ後半戦! コースが替われば、必要な能力はガラッと変わります。特徴をしっかりと頭に入れておくと、危険な人気馬や魅力的な穴馬を見つける事も可能でしょう。ぜひ参考にしてくださいね!
文/安井涼太
各種メディアで活躍中の競馬予想家。新刊『
安井式上がりXハロン攻略法(秀和システム)』が11月15日に発売された。『
競走馬の適性を5つに分けて激走を見抜く! 脚質ギアファイブ(ガイドワークス)』『
超穴馬の激走を見抜く! 追走力必勝法(秀和システム)』、『
安井式ラップキャラ(ベストセラーズ)』など多数の書籍を執筆。