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永田裕志、54歳でも消えない“IWGP”への執念「生き様の濃さでは誰にも負けたくない」

勉強よりも大事なことは…

永田裕志 体育会特有の厳しい親子鷹というよりも、子供に寄り添った優しい父親像がその言葉からは伝わってくる。熱の入った“永田流教育論”は続いた。 「正直、勉強は最低限でいいんです。それよりもはるかに大事なのは対人関係。結局、社会に出てから一番問われるのってその部分じゃないですか。レスリングをやることで、礼儀や人に対する接し方を学んでいってほしいんですよ。先輩に対する態度、後輩に対する思いやり、仲間と力を合わせて何かを成し遂げることの素晴らしさ。スポーツって本来、心を豊かにするものだと思うんですよね」  子供を持つ親の立場として、SNSの普及によってリアルな人間関係が希薄になっている現象は以前から永田も気になっていたという。先日も東京都渋谷区の路上で15歳の少女が母娘を刺すという痛ましい事件が起こったが……。 「悪びれることもなく平気で人を刺す少年・少女というのは、結局、ゲームの感覚が抜けていないんですよ。痛みがわかっていない。それは肉体的な痛みだけじゃなくて、精神的な痛みも含めての話。レスリングみたいなコンタクトスポーツをやっていると、たとえば間違えて相手の顔に肘が入って鼻血が出ることがあるんですね。もちろんそれはルール上も許されていないことだけど、その間違いで学習することだってあるわけで。これも立派な教育の一環。もっと若いうちから痛みを知ったほうがいいと僕は思う」

新日の道場イズムを出し切りたい

永田裕志

(C)新日本プロレス

 9月11日、永田は地元・千葉県東金市で自主興行「永田裕志デビュー30周年記念興行Blue Justice Ⅺ ~青義伝承~」を開催する。これは2007年から続いているもので、初期は2年に1回ペースだったものの、地元民やファンの後押しによって2016年からは毎年行われるようになった。 「今の新日本で主軸になっているプロレスに対して、あまり老害みたいに否定的なことは言いたくないんです。でも今回の自主興行では原点回帰というか、道場で培われてきた本来のストロングスタイルを存分に出し切るつもり。つまりレスリングの技術で相手と組みながら、流れの中で首を絞めたり、腕や足の関節を極めていく闘いですよね。現在の永田裕志を出し惜しみなく全部さらけ出します」
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ケガでリングを降りた同期たちに向けて
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出版社勤務を経て、フリーのライター/編集者に。エンタメ誌、週刊誌、女性誌、各種Web媒体などで執筆をおこなう。芸能を中心に、貧困や社会問題などの取材も得意としている。著書に『韓流エンタメ日本侵攻戦略』(扶桑社新書)、『アイドルに捧げた青春 アップアップガールズ(仮)の真実』(竹書房)。

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永田裕志デビュー30周年記念興行
Blue Justice Ⅺ ~青義伝承~
9月11日(日)東金アリーナ
14:30開場/16:00開始

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