仕事

博報堂時代の経験を漫画に。コピーライターは“ポエムを書く仕事”ではない

永遠に続く編集作業を行う姿が目に焼き付いた

漫画

自分の作ったものには、照れナシに自信を持つべし!(画像はうえはらさん提供)

 こうして漫画を描き始めたうえはら先生。「ゾワワの神様」のなかでも、第5話『D川さん』、第9話『再び、ぼく』は、特に反響が大きかったという。 「前者はモノづくりをやるなら恥ずかしがってはいけない、後者は『ぼく』が初めて作ったコピーが展示される話であり、どちらも様々な仕事に通じる普遍的な題材だったから人気が出たのでしょうね」
作品

コピーライターとして初めて作品を発表した「ぼく」(画像はうえはらさん提供)

 うえはら先生自身が一番印象に残っている話と語るのが、第15話「真夜中の編集室にて」だ。
編集作業

答えのない編集作業を行うふたりが、砂漠を進むジープドライバーのように見えるワンシーン(画像はうえはらさん提供)

「この回はCM撮影が終わり監督とエディターが夜通し編集する話。実は僕がこの企画を始めてから、ずっと描きたかったコピーライター時代の実話なんです。このときの監督とエディターの方の大きな背中は、今でも鮮明に思い出せます」

働く人すべてに伝えたい、ある思い

日々の仕事

少しでも日々の仕事が楽しくなるように——そんな気持ちを込めて制作していると本人談(画像はうえはらさん提供)

 最後に「ゾワワの神様」を通じて、人々に伝えたいことは何なのか。 「一番に伝えたいのは『コピーライターはただ言葉を操るだけではなく、奥が深い仕事』だということ。いまだに『ポエムを書く仕事』だと誤解されがちな職業なので、やりがいがあり、面白い仕事だということを伝えたいです。  コピーライター生活の経験を通して、お仕事を頑張っている方の救いになるような作品を今後も生み出せればと思っています。理想は、『読むことで月曜が憂鬱じゃなくなる漫画作品』ですね!」 ――働くことが辛いものとして語られがちな昨今。仕事の楽しさを巧みに表現するうえはら先生の作品は、一層輝きを増している印象だ! <取材・文/文月(A4studio)>
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