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スマホの使いすぎで“顎関節症”が増加。セルフチェックと対処法も【医師監修】

顎関節症の治療とは?

顎関節症

写真はイメージです

 もし、顎関節症になった場合、どのような治療を受けることになるのだろう。段階的な治療が必要だという石本院長に、その流れを聞いた。 「まずは、歯の形や歯列の歪を整える治療をします。それと同時に、運動療法です。顎関節症の痛みは、関節の痛みだと思われがちなんですが、実は筋肉の痛みの場合がほとんどです。ですので、筋肉をほぐす訓練とマッサージをお教えします」  訓練は次のような手順だ。 ①口を閉じ、左右の頬に手のひらをあてる ②両方の顎が同じ大きさで開くことを確認しながら開口していく ③できるだけ大きく開き、1〜2分維持 ④左右に差がないように気をつけながら口を閉じる。  以上を4〜5分かけて、朝・昼・晩・就寝前の4回程度実施する。  また、マッサージは次のように行う。①頬にある咬筋を指の腹でほぐす、②頭の横にある側頭筋を指の腹でほぐす、③首の横のにある胸鎖乳突筋をつまんでほぐす。以上を、入浴時などに4〜5分かけて行う。  こうした治療と訓練やマッサージとともに、上下の歯が触れ合わないような生活を心がけて生活する必要があるという。それでも治らない場合、どのような治療になるのか、さらに聞いた。 「起きているときは意識すれば、上下の歯が触れ合わないように生活することはできます。しかし、睡眠中までその意識を持つことはできませんよね。そこで、マウスガードを作っていただき、それをつけておやすみいただきます。マウスガードのデザインも工夫が必要で、奥歯があたらなく食いしばれないデザインのものが有効です。それでも治らない場合は、ボトックス注射を打って、口の周りの筋肉をコントロールすることもあります」

顎関節症のセルフチェック方法

 顎関節症になってしまうと、顎や頭の痛みが辛いばかりか、治療にお金も時間もかかる。予防のためにまず、自身に顎関節症の前兆があるか知りたいところ。そこで、石本院長に、セルフチェックの方法を聞いた。 「一般的に、三横指半が入らないと顎関節症だと言われています。口を大きく開いた時に、縦に3本揃えた指が入らなければ、前兆があるかすでに顎関節症であると考えていいでしょう」  また、スマホの長時間使用から発症するということは、生活習慣が大きく関係しているということになる。生活の中で、どんな癖のある人が顎関節症になりやすいのだろう。それを知るためにはまず、歯がどのように生えているかを知っておく必要があると石本院長。 「歯は、内側から舌が支えていて、外側を口の周りにある口輪筋という筋肉で支えています。この二つの支えのバランスが取れたところに、歯が並んでいるんです。つまり、この力のバランスを乱す力が加わるような生活習慣のある人は、歯並びやかみ合わせが悪くなって、顎関節症になりやすくなります」
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生活習慣の見直しも
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Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。

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