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サッカー日本代表、W杯「最終選考メンバー候補」にみる森保監督の悩み

GK、DF候補の注目選手は?

鎌田 サッカー

ドイツで躍動する鎌田。定位置を掴めるか

 前回大会までは23名だったが、今大会は26名に増枠されている。それでもGKは3枠となるだろう。これまでの実績でいえば、権田修一と川島永嗣は当確となるだろう。よって、シュミット・ダニエルと谷晃生で最後の枠が争われると予想されるので、この2戦では2人に出場機会を与えてもらいたい。  DFは4バックがベースになり、右SB、左SB、CBの右と左の各ポジションで2枠ずつが考えられており、最低でも8名が選ばれるだろう。今回は右SBが2名、左SBが3名、CBが4名の招集となっている。それぞれ2枠と仮定すれば、左SB候補になっている長友佑都、中山雄太、伊藤洋輝のうち1名が落選することになるため、今回の2試合で注目すべきポイントのひとつとなる。  CBでは、今年1月にセレッソ大阪からスイスのグラスホッパーに移籍した瀬古歩夢が招集された。クラブではCB以外にボランチとして起用されることもあり、そのユーティリティー性は板倉と重なっている。現状では、ブンデスリーガ1部でもしっかりと結果を残してチームを上位に押し上げた要因のひとりとも言える板倉のほうがプライオリティーは高い。だが、負傷の影響がどれほどかわからない現状のため、瀬古にも十分にチャンスがある。  とはいえ、26名に増枠されたことを踏まえると、DF枠は8名ではなく9名になる可能性も十分に考えられ、今回の招集メンバーがそのまま最終メンバーになることもあり得るだろう。

採用フォーメーションで左右されるMF枠

 GKが3名、DFが8〜9名と考えれば、MF/FWの枠は13〜14名となる。DF同様に各ポジションで2枠という考え方が基本となる。ただ、最終予選のときに定着した「4―3―3」ではなく、「4―2―3―1」というオプションも考えられる。おそらくボランチ枠で3〜4名、サイドハーフあるいはウイングで左右2名ずつ、インサイドハーフあるいはトップ下枠で3〜4、トップ枠で2〜3名となるだろう。ただ、候補選手には複数のポジションをこなせる人材が多く、それを見越した選出になることが予想される。  ボランチの枠は実績から考えると、今回のメンバーである遠藤航、田中碧、守田英正、柴崎岳で決まりだろう。加えて、板倉あるいは瀬古もボランチの候補となるため、この4人で十分となる。3名と考えれば、柴崎が当落線上の候補筆頭と言えるだろう。  サイドハーフ、ウイングの枠について、右は伊東純也、堂安律、久保建英が有力候補になる。ただ、久保はインサイドハーフ、トップ下の候補にもなるため、3人とも選出される可能性がある。実際に、新天地を求めた所属クラブでは3人とも好調で、しっかりと定位置を確保しチャンスメーカーとして活躍している。  左は原口元気、南野拓実、前田大然、三苫薫、旗手怜央、相馬勇紀が候補になる激戦区だ。実績やユーティリティー性を考慮すると、原口、南野は当確と言える。残りの枠を前田、三苫、旗手、相馬で争うことになる。また、左右のどちらかになるかわからないが、このポジションの候補として負傷中の浅野も加わってくる。  インサイドハーフおよびトップ下の枠は、ほとんどが他のポジションもこなす選手で埋められる。「4―3―3」時のインサイドハーフで言えば、第一候補は田中と守田になるし、「4―2―3―1」の場所では久保がトップ下の候補になる。さらに、トップ下で言えばこのポジション特化している鎌田大地が最有力候補になる。続いてセカンドストライカーとして南野もこの枠の候補になる。ポジション争いの激しいサイド枠から久保、原口、南野をこの枠で扱うと、その3人に鎌田を加えた4名でほぼ確定になることが予想される。
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FW枠、実績なら大迫と古橋だが…
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スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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