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フィナーレは「魔女焼き」の儀式! 正月まで続くイタリアの長いクリスマス

年越しマメで金運アップ!?

コテキーノ

大晦日恒例の夜食、レンズ豆とコテキーノの煮込み

 ただ年越しそばのように大晦日の夜に食べると縁起が良いと言われる食べ物がある。それはレンズ豆。丸くて平たい形がコインに例えられ「新しい年にお金がたくさん入ってきますように」という意味合いがあるそうだ。コテキーノ(ソーセージの一種)やザンポーネ(豚足)など、こってりとした豚肉と煮込むことも多く、その脂肪分たっぷり感が豊かさを表しているとの説もある。  大勢で集う年末年始のゲームと言えば、よく出てくるのが「トンボラ」という一種のビンゴゲーム。1人1人に割り当てられたマス目付きのカードに数字がランダムに書かれていて、読み上げられた数字が自分のカードにもあれば印をつける。  それが横並びに2つ、3つと先にそろった人から景品をもらえるのだが、正直なところ運まかせで面白味に欠け、私の周辺では下火傾向にある(ナポリ発祥なので地域差はあるかもしれない)。逆に最近では「ディクシット」などのボードゲームが人気となっている印象だ。

1月6日まで続くクリスマスのような街並み

クリスマスの雰囲気

お正月を過ぎてもクリスマスの雰囲気が漂う町中

 そもそもお正月を過ぎてもイタリアの町中にはクリスマスツリーがキラキラ。1月6日がキリスト生誕に関連する祭日、エピファニア(公現祭)であり、それまでは家の中にもクリスマスツリーを飾り続けるのが一般的だ。日本みたいにお正月飾りがなく、年を越してもクリスマスっぽい雰囲気がそこら中に漂ったままである。 「L’Epifania tutte le feste porta via」というイタリアの人たちになじみ深い言い回しが、年末年始の状況をよく表している。直訳すると「エピファニアは全てのお休みを持ち去っていく」。クリスマスの二連休に始まって元日、1月6日と続いた祝日が終わり、日常が戻ってくることに対するため息のようなフレーズだ。しかしながらこの1月6日、子どもたちには最後の楽しみが待っている。
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「良い子にはお菓子、悪い子には石炭を」
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イタリア・ヴェローナ在住。東京のテレビ局で報道記者を務めた経験を活かし、イタリア移住後も食やワイン、伝統文化、西洋美術等を取材及びコーディネート。フリーライターとしてガイドブックにはないイタリアのあれこれや現地の暮らし、マンマ直伝のレシピを紹介するほか、生ハムやワインなど食材輸出の仲介も行う。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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