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日本と違う海外の年末年始。お年玉が“子供から”もらえる場合も…

最大の見どころ、国旗掲揚

国旗

国旗が一番上に到達した直後の様子(2011年1月1日撮影)

 そしていよいよメインイベントである中央塔最上階での国旗掲揚。国旗が上に行く速度はゆるやかだが、機械で測ったかのように合わせて空も明るくなる様は、不思議を通り越して、神秘的でもある。そして国旗が上りきり、夜明けを迎えた時に、なぜかあふれ出てくる達成感と爽快感。はじめて見た時の神が宿ったかのような光景に魅了され、機会があれば必ず行くようになった。  以来、台湾人の知り合いに、「年末年始どうするの?」と聞かれたら、「総統府の国旗掲揚式に行く予定だよ」と答えることも少なくないが、最近はその度に驚かれ、「台湾人より台湾人らしい」と返されるようになった。  実際、入口では空港並みの安全検査があり、荷物は全部開けて見せ、金属探知機をくぐらないといけない。現在は以前よりも総統府に近づけることができる分、持ち物の規制は厳しく、自撮り棒のような棒状のものは厳禁。天気が悪くても傘(折りたたみ式も含む)は持ち込めず、入口付近に置いていかなければならない。加えて、政治的色合いが強いメッセージボードも出さないよう注意を受ける。  そうすると過去の厳粛な儀式の印象に加え、「朝も早いし、そこまでして見に行かなくても……」と地元の人たちも考えはじめ、前述の「台湾人より台湾人らしい」という言葉が出てくるようになったと思われる。興味を持った方は、行ってみてはいかがだろうか。 <取材・文・撮影/小川聖市>
世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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