ライフ

日本と違う海外の年末年始。お年玉が“子供から”もらえる場合も…

新暦の12月31日と1月1日は……

花火

台北101の花火(2011年1月1日撮影)

  さて新暦の12月31日と1月1日はどうだろうか。   1月1日は祝日となっているが、2023年は日曜日なので翌2日が振替休日となり、土曜日の12月31日と合わせ、3連休になる。だがもし1月1日が水曜日か木曜日だったら、この日だけ「祝日で休み」ということもあるので、そうなるとお正月の気分はまったくと言っていいほどなく、ただの祝日という感じだ。  それでも12月31日は台湾各地で年越しカウントダウンライブと花火が行われるので格別だ。台北市だと超高層ビル「台北101」の花火と、台北市政府(市役所)前の市民廣場で行われる年越しカウントダウンライブが、日本でも知られているものだろう。  特に台北101の花火は、1月1日0時から数分間、ビルから噴き出るような花火を見ようと多くの人が集まり、近くにある象山ではその数分間を撮影しようと、数日前から三脚を使って場所取りを行うカメラマンもいるほどだ。  だが毎年注目を集め、人をひきつけるイベントだけに、帰りの足は本当に困る。まず会場周辺の交通規制をしている影響で、タクシーは簡単に捕まらない。地下鉄は終夜運行しているが、1時ごろの終了から3時ぐらいまでは家路に着く利用者が多く、最寄りの駅に入るだけでも一苦労。市バスも終夜運行しているが来るバス来るバス満員でなかなか乗ることができない。

1月1日の早朝に総統府へ

学生たち

観衆の前方で整列して並んでいる士官学校の学生たち(2014年1月1日撮影)

 日が開けて1月1日の名物行事と言えば総統府(いわゆる官邸、日本統治時代の総督府)での「国旗掲揚式」だ。以前いっしょに台北101の花火を見た知人から「早朝に国旗掲揚式をやっているよ。行ってみたら?」と言われたことがきっかけで、その後12年の間何度も訪れている。  国旗掲揚式は前職の馬英九総統時代と現職の蔡英文総統では趣が大きく変わっている。馬英九総統時代は、どちらかというと「厳粛さが求められるお堅い儀式」という色合いが強く、総統府と観客の間には、士官学校の学生たちが整列して並んでおり、総統府から観衆までの距離も遠く感じた。
台湾

蔡英文総統就任後は、ここまで近づけるようになった(2019年1月1日撮影)

 2016年5月に蔡英文総統が就任してからは、「国旗掲揚音楽会」という名称も加わった。開始時の5時台は、地元の高校生のマーチングバンドや市民のバンドによる歌や演奏の披露、アーチストのコンサートなどが近くで鑑賞できるようになり、「大衆に開かれ、(総統府との)距離が近くなった催し物」と変わった。  それでも国旗掲揚直前の6時台は軍の儀仗隊によるファンシードリル(隊列を変えたりしながら小銃の操作技術を見せるパフォーマンス)など軍関係のプログラムで構成され、国旗掲揚に至るまで場を引き締め、厳かな雰囲気を作る。
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世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織「海外書き人クラブ」会員。
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