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「新宿ゴールデン街」で火災発生、景観を変えない“街の防火対策”を聞く

 

消防車が入れない街

 さらに、今回の火災も含めた有事の際に取り沙汰されるのが道幅だ。わずか3m前後という同地の道路は、万が一火災が発生しても消防車が入れない。そのため、自衛のための設備を有していると成瀬氏。 「防災倉庫があり、ここにスタンドパイプという初期消火活動に必要な設備を備えています。また、各店の店主らが年に1度集まって、四谷消防署に協力をいただきながら消火訓練も実施しています」  こうした訓練には店舗も協力しているが、所有者や管理者が一元化しにくい状況下では、各店の意識の防火意識の向上が一層必要になると成瀬氏。 「東日本大震災の後は、各店が自主的に落下防止の鎖などをつけていました。あの時のように、火災リスクにも改めて目を向けてもらっています。ガスコンロから火を使わないIHに入れ替えるなど、小さなことですが、対策を進めています」  ここにしかない文化と景観。しかし、その景観自体が大火災のリスクを抱えているというジレンマを抱える新宿ゴールデン街。抜本的な対策は難しいが、その間隙を縫うような対策と意識で、今後も唯一無二の街を守ってもらいたい。 <取材・文/Mr.tsubaking>
Boogie the マッハモータースのドラマーとして、NHK「大!天才てれびくん」の主題歌を担当し、サエキけんぞうや野宮真貴らのバックバンドも務める。またBS朝日「世界の名画」をはじめ、放送作家としても活動し、Webサイト「世界の美術館」での美術コラムやニュースサイト「TABLO」での珍スポット連載を執筆。そのほか、旅行会社などで仏像解説も。
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