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世界を驚かせた日本代表。「次のW杯」はベスト8進出が厳しくなる可能性

出場国が増えて想定される懸念は…

日本代表 サッカー

日本代表は難しい舵取りを迫られるかもしれない

 この変更によって懸念されることがある。今大会で縮まった出場国のレベル差が再び開くことによって、グループステージでの接戦が少なくなり内容的に魅力のある試合が少なくなる恐れがある。今大会の日本代表が属したグループを例にしてみると、日本はスペインかドイツのどちらかと同グループになることはあっても、両国と一緒になることはない。また、コスタリカよりももっとランクの低い国と同組になる。言ってみれば、今大会におけるカタールのようなレベルの国が各グループに入ってくる確率が高くなる。よって、強豪国が大差で勝利するといった試合がグループステージの半数を占める恐れさえある。

ベスト8進出の壁が高くなる

 日本代表だけにフォーカスすると、先述したように強豪国と格下といった組み合わせになることが予想される。それは今大会で言えば、スペインやドイツを相手に戦ったような試合と、コスタリカを相手にしたような試合がグループステージで必ず存在し、両極端な相手との対戦が必須となり戦術的な幅を求められる難しい戦いが強いられるかもしれない。加えて、ベスト8に進出するためには決勝トーナメントで2回勝つ必要がある。これまではグループステージを含めて2勝すればベスト8に進出できる可能性があったが、これからは3勝が必要になる。日本代表はこれまで歴代の大会で3勝以上挙げたことがない。これは、これまで以上にベスト8の壁が高くなることを示している。  大会全体に話を戻せば、出場国が増枠されることでレベルが下がり、今大会のような熱戦続きは底上げができるまでしばらくはおあずけになるかもしれない。もちろん、予選でも同様のことが懸念される。次の大会では予選も含めてハラハラ、ドキドキさせられるような展開は少なくなるだろう。選手やスタッフにとっては、そういった展開がないほうが良いだろうが、見ているほうはもの足りなさを感じるかもしれない。それこそ負ければ即敗退となる本大会の決勝トーナメントまでは盛り上がらない大会になることが懸念され、今大会を見て昂りを感じた人たちにとっては、もの足りないものになってしまうかもしれない。 <文/川原宏樹>  
スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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