世界を驚かせた日本代表。「次のW杯」はベスト8進出が厳しくなる可能性
2022年11月20日に開幕した「FIFAワールドカップ2022カタール」は、各国代表によって約1カ月間にわたって熱戦が繰り広げられた。12月18日に行われたアルゼンチン対フランスの決勝戦はPK方式にまでもつれ込んだ末に、アルゼンチンが1986年メキシコ大会以来36年ぶりとなる優勝を飾って大会は閉幕した。
その決勝戦は、ここ15年間のサッカー界において常にトップに立ち続けたリオネル・メッシが牽引するアルゼンチンと、今後10年間を引っ張る新時代の象徴となるキリアン・エムバペを擁するフランスといった対立構造がピックアップされた。試合はその期待を大きく超える内容となり、両エースが力を出し切る展開で見るものすべてに驚嘆を与えた。さらに、メッシの唯一手にしていないタイトルへの情熱とエムバペの連覇に対する意欲がぶつかり合い、スーパースターたちが普段は見せない魂を感じさせるプレーに誰もが感動したことだろう。
そのように気持ちをあらわにした戦いは決勝戦だけでなくグループステージから多くの試合で見られ、総じて見るものを魅了した大会に。なかでもアジア、アフリカ勢の躍進は大会を大いに盛り上げた。ドイツ、スペインという優勝経験国を相手に逆転勝利を収めた日本はもちろん、アフリカ勢初のベスト4進出を果たしたモロッコは世界を大いに驚かせた。これまでの大会ほど出場国のレベルに差がなかったことで、どの選手も最後まで勝利を目指した気持ちの入ったプレーをしたことが、大会を盛り上げたひとつの大きな要因になったのではないだろうか。
次の大会は3年半後の2026年夏になる。カタールで行われたような熱戦を期待したい。だが、これほどの度重なる熱戦は見られないかもしれない。
次回はカナダ、アメリカ、メキシコの3カ国による共同開催が決定している。さらに、本大会出場国はこれまでの32カ国から48カ国に増枠された。それにより、これまで4カ国8組によって行われたグループリーグ戦が、3カ国16組によるグループリーグ戦に変更となる。そのうち上位2チームが決勝トーナメントに進出することは変わりないが、決勝トーナメントは16カ国では32カ国から始まることになった。
世界サッカーの「レベル差の縮小」を感じた本大会
2026年W杯の出場国は48カ国に増枠
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スポーツライター。日本最大級だったサッカーの有料メディアを有するIT企業で、コンテンツ制作を行いスポーツ業界と関わり始める。そのなかで有名海外クラブとのビジネス立ち上げなどに関わる。その後サッカー専門誌「ストライカーDX」編集部を経て、独立。現在はサッカーを中心にスポーツコンテンツ制作に携わる
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