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4号機「北斗の拳」を打てるベトナムのパチスロ店。1枚3000円の超高レートも

日本の遊技機がどのようにベトナムに送られているのか

 設置されている遊技機は、どのように、いくらで日本から送られているのか。  同店の開店に関わった関係者に話を聞くと、遊技機は1台当たり3万~5万円で仕入れたと言う。送料は別途必要になるが、開店の時は100台ほどの遊技機をコンテナに積んで船で輸送した。また遊技機を設置する、いわゆる島も、日本で解体し、輸送後に現地で組み立てた。トータルの輸送費は150万円~200万程度。  日本のパチンコ店では、現行法では設置出来ない遊技機である。新台では40万~50万円したものが、今では数千円から高くても5万円ほどで手に入る。遊技機のスペックは当時の性能そのまま。  ちなみに同店での入替は、設置台が故障したとの理由等で年に数回程度。その数もわずかだ。その場合は、日本から故障台を修理するためのいわゆる部品取り用の遊技機として運搬する。  ベトナムのパチスロ店が、YouTube等のメディアで取り上げられるのをパチンコ業界関係者たちはどう見ているのか。パチンコ業界関係者は言う。 「日本では、パチンコ店の営業が風営法で厳しく規制され、また依存問題の兼ね合いで遊技機の射幸性も大きく抑制されているなか、昔の4号機や、撤去された5号機のような機械で営業出来るのは正直羨ましい。経営事情なんて窺い知れないけど、でも日本のパチンコ店よりは良いでしょう。いちファンとしても打ってみたいなあと思います」

コロナ禍で売上が逼迫した事情もあるという

 しかし一方で厳しい視線を向ける関係者もいる。 「パチンコ業界では撤去された遊技機の適正な処理を実施しようとしています。規則改正によって撤去された遊技機が、闇スロ店に流れることを防ぐためです。そのような中、日本の遊技機が海外に輸出されるのはやはり望ましくない。警察庁の目も厳しいですしね」  背景には、コロナ禍や規則改正による入替により、売上が激減し、経営が逼迫した中古遊技機販売業者や、その周辺のブローカー等の関りがあるのだろうと推測する。 「しかし、撤去された遊技機が悪用されないように適正に処理をしようとするのは、あくまでパチンコ業界内部の決め事。民法上、パチスロ機の所有権は、一般の人であれ購入者のもの。購入者がどのように扱おうが、それを強く規制することは出来ません。そういう意味では、日本国内で通信を繋がなければ作動しないスマスロやスマパチが、海外への遊技機流出を防ぐという想定外の役割を果たすのかも知れませんね」  日本国内において減少の一途を辿るパチンコ店であるが、今後はアジアに出店したいと思う企業も少なからず出てくるのだろう。
フリーライター twitter:@yuu_adachi
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