仕事

「高学歴なのに、なぜか仕事の役に立たない人」に共通する特徴。コミュ力は学べない

もたらすデメリットは

田 美智子氏

『一生仕事に困らない[最強の自分]の作り方』(コスミック出版)の著者である田 美智子氏

 頭が切れるけど役に立たない人が職場にもたらすデメリットはあるのか。 「自分の得意とする専門分野では、誰よりも知識や知見があるという傲慢さが無意識のうちに出てしまい、本人はそのつもりはなくてもどうしても自慢をしているかのように雄弁に語ってしまったりすることはあるかもしれません。それによってチームメンバーに対してマウンティングしてしまい、チームビルディングに亀裂を入れかねません」と回答。 「また、特定の狭いコミュニティの中で研究などを長くしてきた結果、多様性への理解が乏しく、性別や年代、ルーツが異なる人に対して失礼な質問をしてしまったりすることも過去に見てきました。私の関係していた人も同僚に対して『あなたは精神病ではないですか?』と突然本人に聞いたり、女性に対して容姿の優劣の話をしたり、『この年代はこうだ』と決めつけたりなど、コミュニケーションに違和感を覚えるケースは珍しくなかったです」

学校教育の問題も

 企業側が適材適所に配置できていないことが、“頭が切れるが役に立たない人”を生んでしまう大きな要因なのかもしれないが、他にも要因はありそうだ。 「日本の学校教育ではコミュニケーションを学ぶ機会は少ないです。特に正解を求める教育が中心なので、日常で何かをするにもすぐに正解や答えを求めがちです。欧米などを中心として海外では自分の感情や考えを伝えたりすることが当たり前で、学習するうえでも相手の意見を聞き尊重するコミュニケーションが基本です。ずっとロジカルに正解を求められる教育を受けてきたことで自分が感じていることを言葉にして表現することや、自分の表現によって相手に影響を与える力は日本人は相対的に弱いのかもしれません」  適切なコミュニケーション能力を学べなかったことが大きいようだ。
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役に立たない人材にならないためには
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フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

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