スポーツ

“黄金時代”を築く可能性のある阪神と「主力の高齢化が懸念される」巨人…来季の両球団はどうなるのか

 38年ぶりの日本一に輝いた阪神タイガース。2位広島に11.5ゲーム差をつけるぶっちぎりの優勝を飾った。主力選手の流出もなく、レギュラー選手は比較的若いことから、“黄金時代”を築く可能性も囁かされている。  一方、永遠のライバル・巨人は2年連続Bクラスという屈辱を味わい、阪神とは対照的な立ち位置にいると言える。とはいえ、ウィークポイントとされているリリーフ陣を補強するため、高橋礼投手や泉圭輔投手、近藤大亮投手をトレードで獲得。さらには、ドラフトで支配下指名した選手は1位の西舘勇陽投手以外の4選手は全員社会人卒と、王者奪還を目指して本気の補強を見せている。  来シーズンの阪神と巨人はどのような戦いを見せるのだろうか。『21世紀プロ野球戦術大全』(イースト・プレス)の著者、野球著作家・ゴジキ氏に、来シーズンに向けた両チームの展望を聞いた。
大竹耕太郎

大竹耕太郎 Instagramより

阪神で唯一の懸念は「勤続疲労」

 阪神は2024年も盤石なのだろうか。ゴジキ氏は「主軸も変わりませんし、若い選手が多いため非常に良いと思います」としつつ、「1つ懸念点があります」という。 「それは勤続疲労です。昨シーズン優勝したヤクルトは、今シーズン5位に沈みました。CS、日本シリーズを戦い抜いたチームは翌シーズンにその疲労を引きずって低迷するケースが珍しくない。阪神の場合は打撃陣が若いということもあり、そこまで心配ではないのですが、投手陣は勤続疲労の影響が顕著に現れるかもしれません。  12勝をマークした大竹耕太郎投手はソフトバンク時代に実績があるとはいえ、フルシーズンでローテーションを回った経験はありません。それは村上頌樹投手や才木浩人投手なども同様です。休ませながら起用するケースも見られましたが、その影響がどこまで出るのか気になります。特に村上投手はストレートのキレで勝負するため、疲労によって、肝心のキレが失われた場合、今シーズンのような圧巻の投球は続けられないでしょう」  自慢の先発ローテーションが崩壊する可能性を感じるが、「西勇輝投手や青柳晃洋投手など実績と経験のある投手がいるため、両投手が引っ張っていければ今シーズンのような戦いを見せられるでしょう」とのことだ。

“梅野坂本論争”に決着はつくのか?

 また、今シーズンの阪神と言えば捕手の起用法が大きな話題を集めた。梅野隆太郎捕手が主にリードする青柳投手や西勇輝投手は調子が上がらず、翻って坂本誠志郎捕手がリードする大竹投手や村上投手は堂々の成績を記録。「梅野捕手ではなく坂本捕手をスタメンで固定すべき」と主張する阪神ファンは珍しくなかった。  捕手の起用法については「梅野捕手と坂本捕手は併用するのではないでしょうか」と予想する。 「日本シリーズで顕著だったのですが、坂本捕手は疲労によってリードが単調になり、撃ち込まれるシーンが結構見られました。梅野捕手が夏場に怪我で離脱して以降、基本的に坂本捕手がスタメンとして出場を続けましたが、これだけ試合に出場した経験は今までありません。やはり捕手は併用していく形になると思います」
次のページ
秋広は「飛距離を残せる打者」だからこそ…
1
2
3
フリーライター。主に政治経済、社会問題に関する記事の執筆を手がける。今、知るべき情報を多くの人に届けるため、日々活動を続けている。Twitter:@mochizukiyuuki

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ