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WBC開幕。侍ジャパンが「韓国戦の勝敗より大事にすべきこと」

見せかけではない「友達のような感じ」

 当然、日本であるから敬語や「さん付け」は存在するが、ダルビッシュが「メジャーで成功しているから」という態度を自ら出すことはなかった。「友達のような感じ」と言うダルビッシュの言葉は決して見せかけではなかった。  事実、合宿が終わった頃にはチームの雰囲気は良いものになっていた。ダルビッシュはこうも言う。 「全体的にみんな表情が明るくなったと思いますし、ロッカーのなかでもみんな楽しそうに話している。笑顔も増えましたし、そこはすごく感じています。世界一を獲りたいというか、なるべく長く一緒に野球をしたいなと。1日でも長くしたいって思いはあります」

大谷ら途中合流組が戦う態勢を整える

 もちろん、合宿を終えてチームは良好な雰囲気にはなったものの、「戦い」という部分では課題はあった。実戦の試合数が少なかったため、打撃陣に関しては調子の上がらない選手が多かった。  3月3日の中日との壮行試合では2−7と完敗。山田哲人(ヤクルト)、山川穂高(西武)が不調に陥り、主砲の村上はヒットこそ記録したものの、打球が上がらずに苦心していた。翌日の試合では4−1と勝利したものの、打撃陣の調子は今ひとつだった。  そんな空気を変えたのが、メジャー組が完全合流した6、7日の強化試合だ。
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弾みをつけるために、大谷翔平が先発
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新聞社勤務を経て、2003年にフリージャーナリストとして活動開始。『Number』(文藝春秋)、『slugger』(日本スポーツ企画)などの紙媒体のほか、WEBでも連載を持ち、甲子園大会は21年連続、日本シリーズは6年連続、WBCは3大会連続で取材している。2018年8月に上梓した「甲子園という病」(新潮新書)が話題に。2019年には「メジャーをかなえた雄星ノート」(文藝春秋)の構成を担当。 Twitter:@daikon_no_ken

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