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WBC開幕。侍ジャパンが「韓国戦の勝敗より大事にすべきこと」

存在感を示すメジャーリーガーたち

 6日の阪神戦では日系人メジャーリーガー、ヌートバーが初回、先頭で打席に立つと、初安打をマーク。いい滑り出しを切ると、3回には、1死2二塁からそのヌートバーが中前適時打。二人の走者が溜まった後、大谷翔平が中堅へ3点本塁打を打ち込んだ。大谷は5回にも3点本塁打をマーク。全8打点をメジャーリーガーが叩き出し、打線は一気に活性化されたのだった。  続く7日の試合ではNPB所属の選手たちが躍動。1回裏、吉田の先制打の後に、6番に打順を下げていた村上が左中間スタンドに豪快な一発。息を吹き返した。3回にも3点を加えた侍ジャパンは8回裏には、途中から出場していた山川にも本塁打が出て9−1と圧勝。準備を終えたのだった。  直前合宿ではダルビッシュが引っ張り、実戦が本格化してきた頃に、大谷、ヌートバー、吉田が存在感を示した。メジャーリーガーに呼応するかのようNPB所属の選手たちも輝きを放ち、戦う態勢が整ったといえよう。

弾みをつけるために、大谷翔平が先発

 9日の中国戦に先発した大谷は投げては4回無失点、打っては2安打2打点とさすがの貫禄を見せた。試合経過としては、途中得点機で凡退が続いたものの、戸郷翔征(巨人)、湯浅京己(阪神)、伊藤大海(日本ハム)が好投しリードを守る。その後終盤に訪れた好機にて山田哲人(ヤクルト)が放ったヒットを皮切りに一気に中国を突き放し、侍ジャパンの初戦は無事白星発進となった。  ある程度予想通りの展開とはいえ日本中が沸いた。しかし、勝って兜の緒を締めなければならない。大事な要素はまた別のところにあるのだ。たとえ、大一番と言われる10日の韓国戦に敗れたとしても、それは大事故とはならないだろう。こう言っては言い過ぎかもしれないが、侍ジャパンが1次リーグで敗退することは考えにくい。  焦点を当てるべきは、準々決勝以降をいかに勝ち抜いていくかという点。そのために必要なのは、1次リーグの4試合を通して、なるべくフレッシュな状態の投手陣、そして上り調子の打線を築き上げることに尽きる。
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侍ジャパンの大暴れに期待
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新聞社勤務を経て、2003年にフリージャーナリストとして活動開始。『Number』(文藝春秋)、『slugger』(日本スポーツ企画)などの紙媒体のほか、WEBでも連載を持ち、甲子園大会は21年連続、日本シリーズは6年連続、WBCは3大会連続で取材している。2018年8月に上梓した「甲子園という病」(新潮新書)が話題に。2019年には「メジャーをかなえた雄星ノート」(文藝春秋)の構成を担当。 Twitter:@daikon_no_ken

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