ひろゆきが分析「ツイッターが巨大な炎上装置になった」2つの理由。2ちゃんねるとの違いは
スマホやSNSの普及により、今や日本人の日常と化したネット炎上。「デジタルクライシス白書2023」によれば、‘22年に発生した炎上事件は1570件で、1日平均4.3件が発生していることになるという。
そんな日々ネットで巻き起こる炎上・事件を、長年観察し続けてきたのがひろゆき氏だ。近著『ざんねんなインターネット 日本をダメにした「ネット炎上」10年史』では、2010年代にネットで巻き起こった炎上騒動やサイバー犯罪を独自目線で分析している。
なぜ、人は似たような炎上を繰り返すのか。ひろゆき氏は「バカというのは、“バカの先駆者”がやったことから学ばずに、同じことをする。だからこそ“後世のバカ”にならないために、過去の炎上から学ぶことが大事」と語る。
ネット炎上は簡単に個人の人生を狂わせる。当事者になるリスクが高まっている今こそ、過去の炎上という教訓が活きてくるはずだ。ここでは、ひろゆき氏が「2010年のネット炎上」を分析した内容を紹介する。
2010年当時は、インターネットといってもガラケーでメールの送受信をするなど、まだ個人間でのやり取りが多かった時代です。しかし、徐々にネット上のオープンな場所に匿名ではない状態で書き込みをしたり、動画をアップする人が増えてきました。
そんななかで急速に人気を得ていったのがツイッターです。2008年に日本版がリリースされたツイッターは、2010年に国内利用者数が1000万人を突破。それと同時に、ツイッター発の炎上騒ぎも年々増えていきました。
ツイッターでの炎上がどんどん増えたのには理由があります。そもそも、炎上という現象が生まれるには「個人名」が出ていないと始まらないからです。
SNSが流行する前は、個人が発信する場はブログや掲示板サイトがメインで、誰が書いたのかもわからない投稿内容が多かったです。例えば2ちゃんねるにもおかしな人はいましたが、やはり個人名が特定できませんでした。
しかし、ツイッターが登場し、個人が発信しやすいだけでなく「誰が書いたのかがわかる」という状況が生まれ、おかしな行動をした人が特定されやすくなりました。
ツイッターは基本的にテキストでのコミュニケーションなので、投稿ハードルが圧倒的に低い。1日に何十回も発信する人もいますし、そこに「発言者がわかる」という要素が重なることで、炎上の発生確率がグッと高まったわけです。
それに対して、2ちゃんねるは炎上の発生源ではなく、「誰かがやらかした」という話題を広げる「炎上拡散装置」としての役割が大きいのです。
例えば、2010年最大のネット発の事件だった「尖閣諸島のビデオ」が典型的です。この動画はユーチューブに投稿された後、2ちゃんねるに書き込まれたことで一気に火がつきました。ユーチューブにアップしても誰かが見つけなければ埋もれてしまうので、人目につくように2ちゃんねるに書き込んだわけですね。
ツイッターと動画プラットフォームが「巨大な炎上装置」になったワケ
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西村博之(にしむらひろゆき)1976年、神奈川県生まれ。東京都・赤羽に移り住み、中央大学に進学後、在学中に米国・アーカンソー州に留学。1999年に開設した「2ちゃんねる」、2005年に就任した「ニコニコ動画」の元管理人。現在は英語圏最大の掲示板サイト「4chan」の管理人を務め、フランスに在住。たまに日本にいる。週刊SPA!で10年以上連載を担当。新刊『賢い人が自然とやっている ズルい言いまわし』
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