更新日:2023年04月12日 15:44
スポーツ

次期WBC「イチロー監督」は実現するのか。キーマンはダルビッシュ有

若手をリスペクトしたダルビッシュ

 それは直前の宮崎合宿に、メジャーリーガーで唯一参加したダルビッシュ有(パドレス)だ。ダルビッシュはとにかく参加した若い世代の選手たちとの会話を多くして、彼らの取り組みをリスペクトした。 「なぜ、その練習してんの?」 「それやってみてどうなの?」  スーパースターが自分のところまで降りてきて話しかけてくれる。野球を始めたときからプロに至るまで、監督やコーチ、先輩から厳しく指導を受けてきた若い選手たちからすれば、自分のやっていることを立ててくれるダルビッシュの姿勢は居心地がよかった。そして、それがプレーしやすい環境につながった。

メジャー組と国内組がうまく融合

 メジャーリーガーと国内組と分け隔ててしまうと溝ができかねないが、ダルビッシュが直前合宿で空気を作ったことで、のちに大谷翔平やヌートバー、吉田正尚が合流してもその空気は変わらなかった。  栗山監督と“影のキャプテン”ダルビッシュ。彼らがともに個性を重視したことが今回の結果につながったことは紛れもない事実だろう。 「今のチームはフィールド外で笑顔が溢れていますし、みんな仲がいいですし、本当にチームとして一致団結していました」  優勝後の会見でダルビッシュはそう語っている。
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次の監督は誰が適任なのか?
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新聞社勤務を経て、2003年にフリージャーナリストとして活動開始。『Number』(文藝春秋)、『slugger』(日本スポーツ企画)などの紙媒体のほか、WEBでも連載を持ち、甲子園大会は21年連続、日本シリーズは6年連続、WBCは3大会連続で取材している。2018年8月に上梓した「甲子園という病」(新潮新書)が話題に。2019年には「メジャーをかなえた雄星ノート」(文藝春秋)の構成を担当。 Twitter:@daikon_no_ken

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