更新日:2024年04月12日 15:31
仕事

自称“顔採用”で大手企業に入社、わずか3か月で退職した女性新入社員の言い分――大反響トップ10

会社にとって必要なのは人格よりも風習を継ぐこと

 研修後は、都内からほど近い支店に勤務することになった。ここでの環境が、茜さんの心に変化をもたらすことになる。たしかに、金融業界で歴史ある同社。そこには時代錯誤とも呼べる、よくわからない風習も数多く残されていたのだ。  朝3時に起き、新聞を読んでから出社するのが新人の勤め。出勤してからは、新聞の読み合わせや大量に渡される資料の理解、先輩の補助など、休む隙もない、めまぐるしい日々……。  指導の方針は、決まったことだけ身につけ、個々の人格はいらない、と思わされるようなものだった。  先輩に対しては、仕事だけでなく私生活のことまで、とにかくおだてなければならない。飲み会のときには、新人が先輩に対してお酒を注ぎに回り続ける。そんな昔からの風習に従わなければ、あからさまな嫌みを言われることも多かった。  当然、今であればパワハラと呼べるようなものだろう。しかし、先輩社員にとっては「当たり前のこと」として済まされていたのだ。
新人

多くの社員は古いしきたりを「当たり前のこと」として捉え、おかしなことでも疑問にさえ思っていなかったという

 茜さんは「この人たちのように、ここには染まりたくない」と思うようになり、入社わずかで退職を決意したという。 「インターンシップやイベントでは、本当にキラキラした企業に見えたんです。上辺だけで選んだら失敗しました。中身は、古いしきたりが強くて、人格を尊重することのない環境でした。会社全体としてそうなのだから、私個人の意見など聞いてもらえるはずがない。次第に、私という人格まで無視されているように思えてきて」
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大手企業を辞めて、その後…
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渋谷系ギャル雑誌編集部を経て、フリーランスとして主に雑誌・ WEB の編集や執筆、広告のクリエイティブディレクターとして活躍。日韓クォーター・韓国語留学経験を活かした執筆も手掛ける。Instagram:@happycandybox

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