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日本人の足、実は小さい「意外な部位」。靴選びを間違う根本的な理由

カカトの小さい靴はつくるのが難しい

日本のメーカーは、日本人に合わせてカカトが小さい靴をつくればいいじゃないかと思いますよね。実は、カカトの小さい靴は、コストがかかるのです。私は現在、シューフィッターでもありますが、20代のころみっちり靴の設計にたずさわっていました。革靴でもスニーカーでもカカトのボリュームが大きいとつくりやすい。 製造工程でシワも入りにくく、専用のマシーンで「つりこむ」(靴の上の部分を底にひっぱりこむ)ときにもやりやすく、不良品があまり出ません。 1足数万円から10万円を超える靴を見る機会があったら、ぜひつま先だけでなくカカトからも見てください。手作業で時間をかけて丁寧につりこんでいるので、カカトのボリュームと曲線が、安い靴とまったく異なります。革靴であれスニーカーであれ、カカトがしっかり固定されないと足全体が靴の中であそびます。 すると靴の中でつま先もアキレス腱もガンガンぶつかりまくり、靴ずれができます。ましてサイズがゆるければ。ましてカカトがデカければ。ましてカカトを踏みつぶそうものなら……。 売る側も買う側も「カカトが小さい靴です」と言われてもピンとこない。そのかわりにするするっと入っていく売り文句が「こんなにゆったり!」「革もしっとり!」だったりするのです。 「なら俺はどの靴を買えばいいんだ」とお嘆きのあなたには、完全に主観ですが、このあたりをおすすめします。 〇カジュアルスニーカー ・ミズノ ・オニツカ/アシックス ・ブルックス ・ニューバランスのお高めのモデル ・リーボック
MIZUNO MR1

70~80年代のランニングシューズからインスパイアされたMIZUNO MR1。公式HPより

ミズノの「MR1」なんかは陸上のスパイク並みにカカトを絞ってきています。ニューバランスであれば、3万円くらいのUK/USA製が安定しています。 〇革靴でアンダー2万円 ・テクシーリュクス ・ムーンスター

このあたりは安価ながら、よくできています。テクシーリュクスは近年とくにグレードアップしていて、売り場もイトーヨーカドーから百貨店に昇格するほど。 革靴を選ぶ時のコツですが、スポーツメーカーのものを選ぶとリスクはかなり減ります。実はもう革靴だけをつくっているメーカーならうすうすわかっていることなのですが、持っている足のデータ量がスポーツメーカーはとんでもなく段違いに多く、さらにその差はこれからも開く一方だからです。足を通したら2秒でわかります。 誰に気付かれるでもなく、淡々とカカトの小さい靴をつくっているメーカーはまだ存続していますし、むしろこれからも生き残っていくでしょう。考えようによってはいい時代です!
こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。HPは「全国どこでもシューフィッターこまつ」 靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ
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