更新日:2023年04月19日 16:17
エンタメ

日テレvsフジの水曜ドラマ戦争に異変アリ。若い男性層を取り込めなかった『水ダウ』の壁とは

現代の社会問題をテーマにした『お嫁くん』

『わたしのお嫁くん』

『わたしのお嫁くん』番組公式HPより

 一方、「お嫁くん」で波瑠が演じる速見穂香は家電メーカーの凄腕営業ウーマン。だが、家事はまるっきりダメ。自分の部屋は散らかり放題だ。どこかに虫が潜んでいても不思議ではない、ヤバイ部屋である。  そんな穂香の家で同居することになったのが、高杉真宙(26)が演じる会社の後輩・山本知博。家事万能の男で、穂香のための片付け役、料理人役を買って出た。黙っているものの、穂香に惚れている。  2人の関係は会社には内緒。そりゃそうだ。このため、バレないようにする様子も今後の見どころになるはず。古い視聴者なら知っているTBS『奥様は18歳』(1970年)と共通する部分がある。  分かりやすく、明るいラブコメディーになりそう。10代の視聴者はもっと増えるのではないか。  家事の出来ない主人公と、家事万能の家政夫の日々を描いたTBS『私の家政夫ナギサさん』(2000年7月期)と似ているとの声が上がっているようだが、『お嫁くん』の原作漫画は2019年4月より連載されているので、こちらのほうが先である。  今の創作者たちが、男女の役割分担や家事の問題をテーマにしたいと考えるのは不思議なことではないだろう。みんな同じ時代を生きているのだから。第1話を観た限り、両ドラマは実力伯仲。作品同士が競り合ったほうが、ドラマ界全体のレベルアップにつながるはずだ。<文/高堀冬彦>
放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員
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