更新日:2023年05月26日 19:04
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梅雨、台風、キャンプ、あらゆるシーンで活躍する“奇跡の一足”とは?

こんにちは、シューフィッターこまつです。靴の設計、リペア、フィッティングの経験と知識を生かし、革靴からスニーカーまで、知られざる靴のイロハをみなさまにお伝えしていこうと思います。

コスパが良すぎる「奇跡の一足」

かつてダナーの「ダナーライト」というブーツを10数年履いていました。20代の頃に、中古品を3万円で購入し、底も2回張り替え、買い替えようと思ったのが数年前。ところが、もともとアメリカ製であるうえに、原材料がアップしたこともあり6万円オーバーに(現在はさらに値上がりして7万4800円)。爆上がりプライスに泣く泣く断念しました。 4年ほど前、忘れたころふとABCマートに立ち寄ると、「ライトか?」と思えるモデル「ダナーフィールド」が置かれていました。衝撃だったのはその価格、なんと税込みで2万7500円(現在は3万1900円)と「ライト」の半額以下でした。見比べてみるとたしかに「ライト」と細部は異なります。製造はアメリカからベトナムとなり、ロゴの位置や星条旗タグの廃止、トウの長さなど変更されていますが、まったく気になりませんでした。
ダナーフィールド

「アウトドアラインよりデビューのダナーフィールド。防水・透湿性能に優れたGORE-TEXを使用。悪天候も想定した安心のスペックとなっており、トレイルやキャンプといったアウトドア―シーンで抜群の効果を発揮。ハードウエアのトップにはループを使用し『シューレースを締める、緩める』手間を簡略化。ライニングトップに強度をあげるためレザーを使用」。公式HPより

足入れも相変わらず最高で、個人差はあるでしょうが、感触は「ライト」以上。「ライト」はオリジナルのインソールが別売りのため入っておらず、一方の「フィールド」はナイキ、アディダスなどの名だたるメーカーがこぞって入れているオルソライト社製のインソールが入っていて、ルックスとは真逆でふかふかなのです。靴全体が包み込んでくる感触は「ライト」そのものでした。 このインソールの存在はサイズ選びにも影響します。いったん普段の靴のサイズは忘れてインソールの上に足を乗せ、つま先に2cmくらい(手の親指1本分くらい)の余裕があればそのサイズが正解となります。幅は後述する「ステッチダウン製法」なのでワイドもナローもほぼ関係ありません。私はスニーカーで28cmを着用していますが、「フィールド」はワンサイズ下げて27.5cmがちょうどでした。「ライト」でサイズ選びに苦労した人も簡単です。それでいて同様の完全防水のゴアテックス使用で、革も遜色ないフルグレインレザー。即買いました。あれから4年以上ヘビーに履いてますが、なんと不具合は一か所もありません!
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つくる手間が2倍かかり、強靭な強さが生まれる
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こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『シューフィッターこまつ 足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ

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