「自分が成長できる仕事と騙され…」新入社員の後悔、なぜブラック企業をすぐ辞めなかったのか――大反響・驚きの新入社員トップ10
新入社員が今年もやってきました。そこで日刊SPA!では反響の大きかった記事の中から厳選した、とんでも新入社員ベスト10を発表。世代間の考えの違いから起こった、驚きのエピソード第9位はこちら!(初公開2022年5月16日 集計期間は2018年4月~2022年12月まで。記事は取材時の状況)
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多くの企業が新入社員を迎え入れる春。新卒はもちろん、転職してきた人たちで職場の空気は一変する。だが、なかにはすぐに辞めてしまう新入社員もいるのだ。その理由は、いったい何なのか——。
和久井優斗さん(仮名・20代)は、大学時代の友人Sが入社後1年で退職してしまったエピソードを聞かせてくれた。
「Sとは、プライベートだけではなく就職活動でも共に切磋琢磨できる仲でした。ある日、彼としては珍しく興奮気味に語り始めたんです」
Sさんは、従業員30人程度の小規模な不動産会社に興味をもっていた。その会社のコンセプトは「挑戦」。社長は40歳くらいの若手でイケイケ系だったそうだ。
「社長の考え方が気に入ったそうで、特に『利益のためではなく、お客様のため、自分の将来のために働いてほしい』という言葉が刺さったそうです。そこで働いて、自分自身の性格を前向きに変えたいと思ったみたいで、見事に内定を獲得していました」
和久井さんとSさんは、大学卒業後も近況報告会という名の食事会をしていた。入社して1か月後、「自己成長ができて最高の環境だ!」と目を輝かせながら話していたという。和久井さんもそれをいっしょに喜んだ。しかし、次第にSさんの様子が変わっていくことになる。
「入社して半年後、Sから意外な言葉を聞かされました。『ちょっとこの会社、思っていたのとは違うかも』。営業スタイルがゴリゴリだったそうで、お客さまの事情なんかお構いなしで、利益は取るだけ取るといった超利益重視の会社だったようです。
ただ、Sは『成長できているからいいんだけどね』と言って、無理やり自分を納得させている様子でした」
今思うと、そこで辞めるように諭しておけばよかったと和久井さんは言う。
就職活動中に「第一印象が良かった」という理由で選ぶこともあるだろう。しかし、働いていくうちに「なんか違う」と違和感を覚えて、転職を考える人も少なくないはずだが……。
「自己成長ができる最強の環境!」と豪語していたが…
面接で聞かされていた理念とは真逆のゴリゴリ営業
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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