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「自分が成長できる仕事と騙され…」新入社員の後悔、なぜブラック企業をすぐ辞めなかったのか――大反響・驚きの新入社員トップ10

営業熱心が裏目に! クレームになることも…

「Nは、ショップ内で営業ナンバーワンになることを目指していました。熱い接客……なのですが、特にイケメンではなく説明も下手。『これいいですよ』がNの売り文句でしたが、お客さんには、しつこくてくどいと思われてしまったようで、成約にはあまりつながっていませんでした」  さらに凡ミスを連発するのでクレームも多かった。当初は呆れていたが、良くも悪くも“いつでも全力投球”の姿勢に、上司や同僚たちは感心してしまうほどだった。  とにかく野心が強く、店長に「自分が上司になったら面接でどんな人を採用すればいいのか」「どうすれば出世できるのか」「何をすればとにかく偉くなれるのか」を尋ねていたという。 「店長は質問に対して『顔の良い奴を選べばいいんだよ』とか適当に答えていたのですが、Nは真面目にメモしているんです」

2度のスピード転職で六本木のベンチャーに

 しかし、2か月もすると、この仕事ではトップに立てないことを悟ったようだ。 「彼は転職を考え始めていました。まだ退職していないにもかかわらず、それを大っぴらに話すので同僚たちは苦笑い。結局、コンビニの運営会社の営業に転職したようです」  しばらくして、持田さんにメールが届いた。 「転職先のコンビニでは、まずは店員として勤務していたそうですが、アルバイトが来ない日もあったり、夜勤もあったり、キツすぎてすぐに辞めたとか……」  あまりにもだらしないと思ったが、この話には続きがある。その後、六本木のベンチャー企業で元気に働いていると報告があったのだ。 「常識が足りないNですが、六本木でやりがいのある仕事を見つけた彼の野心には、再び感心しましたね」  何事も前向きに捉えて、勝てないと悟ったときの切り替えの早さは、ある意味でベンチャー向きか。  前出のSさんは心身ともにボロボロになりながらも働き続けていたが、Nさんのように「自分に合わない」と思ったら早々に見切りをつけることも自分らしさを失わないためには大事なことなのかもしれない。 <取材・文/chimi86>
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。
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