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2023年春ドラマ「コア視聴率」BEST3。テレビマンが泣き笑う“CM売上高への影響”も考察する

日テレvsフジ、水曜10時のドラマ戦争は?

Dr.チョコレート

日本テレビ番組公式HPより

 10歳の天才外科医(白山乃愛)がヒロインで、コンビを組む義手の元医者(坂口健太郎)が主人公の日本テレビ『Dr.チョコレート』(土曜午後10時)もコアが良かった。3・4%で4位。個人は4・8%(世帯8・6%)。こちらも「なんで、10歳で天才外科医なの?」と思わない若い世代のほうが受け入れやすいのだろう。  白山は実際に10歳。2022年の東宝「シンデレラ」オーディションでグランプリを獲得した。1999年のグランプリである長澤まさみ(35)、2011年の上白石萌歌(23)の後輩にあたる。一躍人気者になりそう。  水曜午後10時のドラマ対決は日本テレビ『それってパクリじゃないですか?』がコア2・0%、個人2・4%(世帯4・5%)。フジ『わたしのお嫁くん』はコア2・0%、個人3・5%(6・4%)。コアは全く一緒。  ドラマの中身も甲乙付けがたい。 『それってパクリ――』が知的財産に関するお仕事ドラマで、好奇心をくすぐってくれるのに対し、『わたしの――』は明るく朗らかなラブコメで肩が凝らない。ややこしいドラマは観たくない週の真ん中の夜に合っている。どちらを選ぶかは視聴者の好みの問題だろう。

コア視聴率とCM売上高の相関性

 ちなみにコアはどれくらい影響力を持つのか。それを記したい。2022年の主要民放4局のプライム帯での個人全体視聴率の順位はこうだった。①日テレ〃テレ朝③TBS④フジ。  だが、同じプライム帯でもコアの順位は①日テレ②フジ③TBS④テレ朝。この結果、CM売上高はどうなったか。各社が発表済みの2022年度第3四半期まで(4~12月)の数字はこうだ。 ①日テレ 約1714億1900万円 ②テレ朝 約1278億8500億円 ③TBS 約1229億9100億円 ④フジ  約1211億7500万円  個人全体視聴率では日テレと並んでいるテレ朝が、CM売上高では大きく引き離され、TBSとフジに近づいてしまう。
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TVerによる収益の割合は?
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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