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『ジョブチューン』で酷評されたモスの“緑色バーガー”。実力派チェーンがしくじった理由を検証した

失敗の原因は、“半信半疑”の提起

モス ジョブチューン

グリーンバーガー<テリヤキ>は590円。この価格だったら、見た目も味もおいしいハンバーガーが食べたいはず

今回のソイシーバーガーが全くおいしくなかったわけではありません。それを前提としても、今回沸き上がった違和感が二つありました。 まずひとつめは、「半信半疑で食べてみて」という店頭ポスターの呼びかけ。この商品の出会いを“半信半疑”に設定していることは、待望の新商品を試す時のお客のワクワク感や期待感とはマッチしないように感じたのです。これはZ世代らしさで片付ける話ではなく、開発メッセージに込めるべき真摯な本気感はどの世代の心もつかむもの。この商品のゴールがいまいちわかりませんでした。

「緑色のバンズ」の採用は不可解

そしてもう一つは、バンズの色。これはほうれん草ピューレーを練りこんだものですが、この色合いはビジュアル的にも経験則的にもハンバーガーのおいしさを盛り上げるカラーではないと感じます。 野菜を練り込んだバンズで成功しているのは、フレッシュネスバーガー。北海道産の栗かぼちゃを練り込んだ黄色いバンズは食欲をそそる色合いです。モスバーガーがなぜグリーンバンズを採用したのかは不可解であり、これまで数々の名品を作ってきたハンバーガーチェーンの真の実力とは信じがたいものでした。 食の選択肢を広げる多様性を実践しているモスバーガーの企業姿勢は、個人的にも応援したくあります。プラントベースフードがおいしくないというレッテルを貼られないためにも、是非がんばっていただきたいなと強く願います。 <TEXT/スギアカツキ>
食文化研究家、長寿美容食研究家。東京大学農学部卒業後、同大学院医学系研究科に進学。世界中の健やかな食文化を追求。女子SPA!連載から生まれた海外向け電子書籍『Healthy Japanese Home Cooking』(英語版)が好評発売中。Twitterは@sugiakatsuki12
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