リビングに「センターテーブル」は要らない。必要なのは「サイドテーブル」だ
今、住宅系のYouTube界隈を騒がせている男がいる。動画チャンネル『ジュータクギャング』の押村知也だ。設計から建築、インテリアコーディネイトに至るまで住宅に関するすべてをこなす住宅のスペシャリスト「住空間クリエイター」である。歯に衣着せぬ彼の発言は、わかりやすくて痛快。『ジュータクギャング』は、更新のたびに一般視聴者の心をつかみまくっている。
そんな押村は、「リビングにセンターテーブルは要らない」と説く。リビングに置く家具として、ソファとセンターテーブルはセットだが、その思い込みが落とし穴だという。なぜ、センターテーブルは必要ないのか? 住宅を1000軒以上建てた男が語るリビング論に迫る。
「センターテーブルについて、真面目にちゃんと考えた際に『場所だけ取っているけど、これ本当に必要?』となったときに、結論は『必要ない』でした。住宅を1000軒以上建ててきましたけど、実際、役に立っているケースは少ない。多くの家では、センターテーブルという名の物置にしかなっていない。だからソファとセンターテーブルがセットだというのは固定観念だと気づいたんです。昔よくあった応接室のイメージが強烈で、『ソファには灰皿を置くテーブルが必要だ』となんとなく思っているにすぎないんです」
リビングにはソファとセンターテーブル、それにラグやテレビ台を置くのが通常だと多くの人は思う。なぜならインテリアショップでも、ショールームでも、テレビドラマでも、それが当たり前だからだ。押村はそれが「売る側の作っているイメージ戦略」だと看破する。
「ソファと一緒にセンターテーブルも売りたいですから。ただし、狭い家に家具ばっかりを置いても仕方ない。少なくとも、ダイニングテーブルのある家では、センターテーブルは要りません。試しにセンターテーブルをなくしてみてほしい。生活が変わりますよ。小さな子どもがラグのうえで遊べるようになる。子どもはテレビに近寄るのが好きだし、ゴロゴロとするのも大好き。ソファとテレビの間に、いつまでもいるようになります。赤ん坊を寝かせられるようにもなる。リビングの広さを最大限に生かしてこそのインテリアだと僕は思います」
ちょっとした飲み物や食べ物をリビングに持ってきたいときはどうすればいいのか。
なぜリビングにはセンターテーブルが不要だと思うのか?
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(おしむらともや)スタイラス所属。20代で建築、都市計画、インテリア、暮らしについてカナダ、アメリカで学び、輸入住宅などを手掛けるも挫折、住宅とは何かを見失う。大手ハウスメーカーや大手デベロッパーにコンサルティングして感じた「業界の嘘」と「都合の良い慣習」に納得できず、悪しき慣習にまみれた日本の住宅づくりからの逸脱が始まり、住宅業界の異端児となり、1000棟以上の建築設計を手掛ける。2022年7月にYoutubeチャンネル『ジュータクギャング』を開設。近著『美しい家のつくりかた』
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『美しい家のつくりかた』 1000軒の家を建ててわかったこと |
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