仕事

「現場の穴はお前が埋めろ」約40時間労働、取引先の“まさかのカスハラ”に意外な結末が

 店や企業に対して、“顧客”という立場を利用しながら理不尽なクレームをつけたり、無理難題を押し付けたりするカスタマーハラスメント(以降、カスハラ)。その多くは客や消費者によるものだが、企業間で取引先の担当者が“契約打ち切り”などをチラつかせ、カスハラまがいの態度で無茶を要求してくるケースも……。今回は、2つの現場の実態をお届けする。

大口の契約を勝ち取るために…

 
ハラスメント

※写真はイメージです。以下同

 よく街頭や店舗で配られているポケットティッシュ。それを製造するメーカーの営業担当をしていた鈴木太郎さん(仮名・30代)は、大手保険会社に購入の提案をしていたという。 「有名な大手企業だったので、取引が決定したら購入数量が莫大で……。なんとしても契約をしたい思いでした。取引先との関係を築くために、担当者Aに対して接待を行いました」  接待は成功し、大口の取引が決定した。Aとの雰囲気もよかったため、鈴木さんは一安心という気持ちだったそうだ。しかし、思いがけない事態へと発展する。

高級クラブなどを指定され、次第に過剰な接待の要求へ

 取引が始まり、Aからは何度も接待の要求があったという。 「何度かお付き合いをさせていただきましたが、次第に過剰な接待要求が増えました。たとえば、高級な飲食店やクラブなどだったのですが、私にその費用を負担するように、と言ってきたんです」  取引先との関係を重視していたため、一時的には妥協して要求をのんでいた鈴木さんだが、限られた予算や会社の方針に合わないことを考えると、これ以上は応えられそうもなかったようだ。
次のページ
“取引の破棄”や“悪評の拡散”をほのめかす
1
2
3
4
2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

記事一覧へ
おすすめ記事
ハッシュタグ