仕事

「現場の穴はお前が埋めろ」約40時間労働、取引先の“まさかのカスハラ”に意外な結末が

問題が起きればすぐに罵倒してくる取引先

工場 田中満雄さん(仮名・30代)は、人材派遣会社の営業担当をしており、派遣社員50名の出勤管理とサポートを行っている。当時、担当していた派遣先は、大手メーカーの商品を製造する工場だったそうだ。 「派遣先企業の作業長Bが、派遣社員に対しての業務指揮命令やシフト作成を行っておりました。Bは私のような営業担当者に対してとても強気で、派遣社員がトラブルを起こすたびに罵倒するような人でした」  田中さんが困っていたのは、突発的に発生した派遣社員の欠勤だったという。 「ある日、派遣社員が勤務時間になっても出勤せず連絡も取れなくなってしまいました。それは当然、派遣社員が悪いのですが、弊社の運営や管理体制について大声で叱られたんです」

「お前がやればいいだろ!」シフトに穴をあけるのは許されない

「現場の穴はどうするんだ?」と詰められ、「お前がやればいいだろ! シフトに穴をあけたらタダじゃおかないぞ!」と罵られたと田中さんは話す。  夜勤だったため、会社には上長もいない状況。まさかの事態に、思わず田中さんは自ら出勤することを承諾してしまったそうだ。そして、またしても突発的なトラブルが発生する。 「ようやく夜勤が終わり、日勤の出勤状況を確認すると、今度は別の派遣社員が出勤していませんでした。しかも連絡も取れない状況です」  再び、Bに報告と謝罪を行うと……。 「『お前がやれ! 今後も突発欠勤が出た場合は、お前が現場に入って穴をうめろよ! できないなら、他の派遣会社に依頼するからな』と言われました」  現場に穴をあけるわけにもいかず、代わりに作業を行いながらも現状を上司に報告した田中さん。そして、上司から派遣先企業に今回の件を報告してもらったという。 「暫定策として『穴うめはしなくてもいい』とのことで、私は約40時間に及ぶ労働から解放されて帰宅することができました」
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日常的な“カスハラ”は複数の派遣会社にまで及んでいた
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2016年よりライター活動を開始。出版社にて書籍コーディネーターなども経験。趣味は読書、ミュージカル、舞台鑑賞、スポーツ観戦、カフェ。

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