更新日:2023年06月05日 23:08
仕事

「授乳時に嫉妬する旦那」「父親が誰か分からない」…助産師が見た、衝撃現場の数々

お菓子で「20キロ以上増えた」妊婦

 妊婦本人に常識がない場合もある。 「妊娠期に体重が増えることは仕方ないのですが、許容量があります。それを超えると、ただでさえ命懸けのお産がより困難になるんです。あらゆる手を尽くして指導しても自覚がなく、隠れていろんなお菓子を持ち込んで20キロ以上増えた妊婦もいました。 『入院はするけど病人でも怪我人でもないんだからいいじゃない』と言われたときは、力が抜けました。胎児を危険に晒す行為だし、生命を軽んじているとしか思えません」

自宅で出産してしまい…

 松山さんはさらに、自覚や常識に加えて、倫理観が欠けているケースにも遭遇した。 「未受診のまま自宅で出産してしまい、へその緒を切ったはいいけど出血がひどくて泣きながら『助けて』と救急車を呼んだ妊婦も知っています。赤ちゃんの生命を危険に晒しておきながら、自分は助かりたいなんて都合が良すぎるのではないでしょうか。  とはいえ、こうしたケースは相手の男性が逃げていたり、結婚できない事情があったり、妊婦本人だけの問題ではないことも多く、社会の闇を感じます」
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本妻と浮気相手が隣の病室に…
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ライター、エッセイスト。可視化されにくいマイノリティに寄り添い、活字化することをライフワークとする。『潮』『サンデー毎日』『週刊金曜日』などでも執筆中。Twitter:@kuroshimaaki

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