恋愛・結婚

「オレの人生をなんだと思ってんだ!」引きこもり、無職、25歳童貞が“それでもナンパを続けた”ワケ

引きこもり生活に訪れた転機は?

――転機はいつ訪れたのでしょうか。 よしさん:浪人2年目の11月です。高校中退後、受験に2度失敗。今年も受験は失敗するだろうと思っていたとき、受験科目に「政経」があるのを見つけたんです。いまは学習に必要な分量が多くなっているかもしれませんが、当時は薄い参考書1冊でカバーできる出題範囲でした。実際に3か月の勉強で、世間では名門と呼ばれる大学に合格しました。この経験から僕は、どんな絶望的な状況でも、どこかに必ず道はあるし、ほとんどの人が通らない道にこそチャンスがあると思うようになりました。 ――大学では女性との出会いも多そうですがいかがでしたか。 よしさん:変われないままでしたね。心を完全に閉ざしていたので、友達もできなかった。サークル、ゼミ、バイトなどの大学生らしい経験を一切せず、卒業してしまいました。唯一、40日くらいカナダのバンクーバーに語学留学した経験を積めたのは収穫でした。英語力も飛躍的に伸びましたし、海外への抵抗感もなくなった。留学経験は、いろいろ新しいものごとをはじめる原動力になっています。まあ、そんな状況ですから、就職活動もしませんでした。

ナンパを断られ…渋谷の交差点で絶叫

よしさん

ナンパ活動をきっかけに復活し、美女と遊んでいた頃のよしさん(よしさん提供)

――それで25歳童貞の無職となったわけですね。ここからモテようと恋愛に目覚めたのはなぜでしょうか。 よしさん:25歳になる直前に、たまたまストリートナンパの動画をYouTubeで見つけたんです。ナンパはチャラチャラした世界で僕には無関係の世界だと思っていたのですが、その動画に出ていた高石宏輔さんは、元引きこもりで、パニック障害、対人恐怖症といろいろコンプレックスを抱えていた。そんな自分を克服するために、あえてショック療法としてナンパを選んだらしく、こんな方法があるのかと衝撃を受けました。  それから高石さんのカウンセリングに受け、毎日、ナンパをするために、渋谷、池袋、新宿あたりにいくようになりました。しかし、童貞コミュ障がいくらがんばってもどうにもなりません。一人に断られると、他の女性からも同じように価値がない男だと見られてるように感じる。あるとき、渋谷のスクランブル交差点のTSUTAYA近くで女性に声をかけたら、ヘラヘラとなめられながら、連絡先交換を拒否されました。  そのとき、プツンと切れちゃって、「オレの人生をなんだって思ってんだ。オレがもし死んだってお前には関係ねえもんな!」と絶叫しながら、カバンを地面にぶつけていました。めちゃくちゃヤバイ奴ですよね。そもそも女性からしたら、オレが死んでもまったく関係ないわけですから、その通りなのに(笑)。
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それでもナンパを続けたワケは?
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編集プロダクション、出版社を経て独立。ビジネス系からカルチャー系まで多岐にわたって執筆する。趣味は映画観賞、自伝研究、筋トレ

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