年収500万の44歳マスコミ勤務が“うつ”で退職して悟った孤独「驚くほどスマホが鳴らない」――大反響トップ10
大事件ばかりがニュースではない。身近で巻起こったニュースを厳選、今回はサラリーマンに関する記事に注目し反響の大きかったトップ10を発表する。第9位の記事はこちら!(集計期間は2023年1月~2023年12月まで。初公開2023年5月19日 記事は取材時の状況)
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多くの企業が新入社員を迎え入れる春。新卒はもちろん、転職してきた人たちで職場の空気は一変する。だが、業務内容や職場環境など、人により理由はさまざまだが、せっかく就職したにもかかわらず、すぐに退職してしまう人もいる。
「独身の中年男性が狂う理由がよくわかった」。そう語るのは、マスコミ業界を今年はじめに去った後藤利伸さん(仮名・44歳)。激務と上司からのパワハラに耐えかねて、会社には“うつ”といって退職したが……。
「実は病院にはいってないんです。私はマスコミにいましたから、製薬会社と精神科医の金儲けのカラクリをよく知っています。適当に病名をつけられ、薬漬けにされるだけ。それで厚生労働省などのチェックリストから自己診断し、独自の方法で療養しています」
“独特な医療観”を語りつつ取材に応じている後藤さん。その印象は、よくしゃべる陽気なおじさんで、はたから見ればうつには見えない。しかしここまで回復するには相当の苦労があった。
「まず1か月はベッドのうえで寝ているだけ。どれだけ寝ても眠気がとれず、無限に眠れた。2か月目からはようやく散歩ができ、早朝2時間散歩し、週4日で銭湯に通う日々だった」
次第に体力は回復していくものの、独身の後藤さんには話し相手がいない。あとは共通の趣味をもつ友人ができれば、うつから立ち直れると考えるようになる。
「仕事をやめると、驚くほどスマホが鳴らない。いままでは10分置きに電話がかかってきたり、メールが届いていたのにパタリとやんだ。『ああ、私は孤独だった』と思い知らされました。それで人間関係を見直そうと、頻繁に飲みに誘い、熱くジャーナリズム論を語り合っていた後輩に『もう上司部下の関係じゃない。人間同士の付き合いで飲みにいこう!』とメールを送ったのですが返信はありません。それで何度か催促すると、『やめてください。後藤さんの行為はネットスーキングです』と警告されました」
“うつ”で退職だが病院には行ってない
後輩を飲みに誘うも…孤独を思い知る
編集プロダクション、出版社を経て独立。ビジネス系からカルチャー系まで多岐にわたって執筆する。趣味は映画観賞、自伝研究、筋トレ
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