仕事

“変わり種ピザ”連発で話題のピザハット、デザートにも本気?パイ作りにかける20年越しの苦労

リニューアルしたアップルパイのこだわりとは?

――リニューアルしたアップルパイのこだわりについて教えてください。 鈴木:アップルパイに関しては、競合他社でも通年で同じような商品を扱っているので、差別化したいという狙いがありました。ピザハットでは、パイというよりちょっとデニッシュに近いようなものにしています。やはり基本的ピザと一緒に食べることを想定しているので、食感は軽いけれども食べ応えがあるものを追求しました。  また、中身にもこだわりました。蜜漬けにしたリンゴと、ちょっと大きさの違うリンゴを入れたカスタードクリームと2種類入っていて、中がずっしりするような配合にしています。カスタードクリームもリンゴが引き立つような甘さ控えめ。それも相まって、しっとり感がありつつ表面はサクサクするパイになっているわけです。 ――実際食べてみると、シナモンが苦手な人でも食べられる日本人の口に合った商品ですよね。 鈴木:よく気付いてくださいました! シナモンは、昔の商品ではパウダーをわざわざふりかけてたんですが、量がかかってしまったりして味と風味がぶれてしまっていたんです。  また、実は私自身もシナモンが苦手で、「ほんのり香る程度でいいのに」と思っていた部分もあって……。リンゴに混ぜこむことでふわっと香り付け程度になり、子どもでも食べられるような形にリニューアルしました。社内でも「前より軽くて食べやすい」と好評でした。

苦悩の連続?商品開発者が見出す喜びの瞬間

ピザハット

バレンタイン限定「濃厚チョコの焼きたてショコラパイ」(ピザハット提供) ※すでに販売終了

――サイドメニューの商品開発で一番嬉しいと感じる瞬間は? 鈴木:お客様から、「前より美味しくなっている」という声を聞くのが一番うれしいです。「商品開発に時間をかけてよかった!」と心から思えます。どうしてもデザートってみんながみんな買ってくれるわけじゃないので、貴重な大事にしたいお声なんですよ。 ――商品開発の際に大変だと思うことはありますか? 鈴木:ピザと食べるのにちょうどよい甘さを探すのがとても難しいなと常々思ってます。「もっと甘いほうがいい」と感じる人もいれば、「ピザを食べた後だから、ちょっとさっぱりしたいな」と思う人もいる。また、何のピザを食べているかによっても感じ方が変わってきてしまいます。特に、期間限定発売の商品は競合他社との差別化も同時に考えないといけないので、毎回試行錯誤しています。
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それぞれの商品にこだわりが詰まっている
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医療従事者として都内総合病院に勤務していたが、もともと興味のあったWebライティング業界に思い切って転身。大手メディアと業務委託契約を結び、時事ネタ・取材をメインに記事を執筆。中には450万PVを達成した記事も。ちなみに国内外問わず旅行が趣味で、アメリカ・オーストラリアで生活をした経験もあるバイリンガル。現在、海外移住計画中
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