山田哲人のHRボール“横取り疑惑”「本人は年間シートを買うほどのファン」代理弁護士が明かす見解
5月2日の巨人対ヤクルト戦で、「ホームランボールを少年から奪い取った」という疑惑の目を向けられた観客の男性がSNSで誹謗中傷を受けて炎上している。
――まず、中川弁護士が代理人に受任した経緯をお教えください。
中川素充弁護士(以下、中川):5月3日に友達から連絡をもらって、「自分の友達がネットでかなり炎上してしまっていて相談に乗ってくれないか」ということで、5日に本人と面談をしたんです。実際に内容を聞いて「あまりにも酷い」と思ったので受任をしたという流れですね。
――本人から事の経緯を聞いたときに、中川弁護士の見解は?
中川:もっち~氏(男性のアカウント名)は、ホームランボールを奪った、奪ってないということに関しては、そのときに周囲から「奪っただろ!」というようなことは一切言われていないと。中継された映像を細かく見ても本当に少年が先にボールを掴んで、それを横から奪っていたら少年の腕が大きく動いているはず。そうなると、位置関係で不幸にもボールを奪ったように見えてしまったのかなとは思います。
ただ、ボールを奪ったと捉えた人がいたとしても、本名や顔写真などをSNSで「少年から強奪した男」と全世界に向けて晒すことは決してあってはならない。ですので、ツイッター、YouTube、ブログ、5ちゃんねるの掲示板などを中心に、プライバシー侵害や肖像権侵害のひどいものについて発信者情報開示の申し立てをしたという経緯です。
――違法性の高い投稿とはどんなものでしょうか。
中川:プライバシー侵害、肖像権侵害の観点からみているので、投稿内容の酷さでいったらもっとあるのですが、顔写真や本名、居住地など特定したものもありましたので、そういうものは片っ端から対処しています。本人がSNSで自分の顔を出したり、自分の本名を書いたりしているんだから何が問題なの?と反論する方も多いんですが、勝手に使っていいわけではない。本人の承諾がなければ違法なんです。「ボールを奪った」として顔や名前を使われることを本人が承諾するわけないです。
この騒動を受けて、8日は代理人の中川素充弁護士が「誹謗・中傷の著しい投稿やプライバシー侵害が著しい投稿について保存行為等を行なっており、法的措置を検討する」との声明を発表した。今回、中川弁護士に代理人に就任した経緯や、加速するネット私刑を巡る法的な見解などを聞いた。
「自分の友達がネットで炎上している」
プライバシー侵害、肖像権侵害にも
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