更新日:2023年06月14日 16:26
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山田哲人のHRボール“横取り疑惑”「本人は年間シートを買うほどのファン」代理弁護士が明かす見解

誹謗中傷は誰にでも起こりうること

――誹謗中傷に関して、さらに法改正が必要だと感じる部分はありますか? 中川:プロバイダーの保存期間はもう少し伸ばすべきですね。今は3~6か月といわれていて、手間取ってしまうと泣き寝入りするしかないので。それから同じアカウントの直近の投稿でもIPアドレスが開示されれば、そのあたりの問題も少し解決するのかなと思います。現状だと開示請求できるのは論争の対象になる投稿だけで、時間経過してしまえば追うのは難しいです。 ――自分が誹謗中傷されているのを見つけて訴えたいと思ったら、準備しておくことはありますか。 中川:該当の投稿内容のスクリーンショットとURLを押さえることは大事です。投稿をプリントアウトするだけだとURLがわからなくなってしまうので、そういう情報が揃っていると弁護士も動きやすいと思います。  法改正したとはいえ、まだまだ緊急性を要する案件なので、できるかぎり早く専門家に相談に行かれるのがいいと思います。それから誹謗中傷に反論するのは、つい感情的に発した内容で相手を訴える際の材料を失ってしまう可能性があるので控えたほうがいいですね。誹謗中傷する側もわかっていて揚げ足取りを狙っている。まずは冷静に対応することを心得てください。 ――何がきっかけで誹謗中傷がエスカレートするかもわからない。 中川:そう。現代において、誹謗中傷は誰にでも起こり得ること。今回の件も声明を発表したときに「黙っておけばよかったのに」という意見が多かったんです。ツイッターのような匿名性だからこそ歪んだ正義も生まれやすい。それに黙って屈するのは正常ではないと思います。相談に来れずに心が折れてしまう人も多い。それをどう食い止められるのかを考えるきっかけにしてもらいたいのです。実際に誹謗中傷をしている人に会いに行くと、おとなしくて普通の方が大半ですから。 <取材・文/吉岡俊> 【中川 素充】 東京大学法学部卒業後、弁護士登録。オアシス法律事務所を開設、代表弁護士を務める。福島原発被害首都圏弁護団、薬害肝炎東京弁護団、全国安愚楽牧場被害対策弁護団、預貯金過誤払被害対策弁護団、平成電電被害対策弁護団などを担当
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