更新日:2023年06月14日 16:26
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山田哲人のHRボール“横取り疑惑”「本人は年間シートを買うほどのファン」代理弁護士が明かす見解

「死ね」だと訴える対象になりにくい?

――逆に訴えることが難しいケースは? 中川:被害者のアカウント名だけとか、写真も不特定多数が映っているようなものだと厳しい。裁判では本人と特定できるか否かっていうのはいつも論点にはなります。 ――人格否定につながる「殺す」のような言葉だと訴えやすくて、「死ね」だと訴える対象になりにくいという話も聞いたのですが。 中川:個人的には、特定のワードだから難しい、難しくないじゃないと思うんですよ。それが書かれている文脈とか状況が大事になってくる。例えば、相手も知っている人で論争の流れで「死ね」と書いてあったら下品だけど脅迫している内容にはあたらない可能性はある。でも、そういう文脈もないのに匿名の人からいきなり「死ね」って書かれたらそれは違う。意見や論評を逸脱しているか、受忍できるような内容なのかっていうのもありますね。

「誹謗中傷」と「批判」の違い

――「誹謗中傷」と「批判」の違いは? 中川:最高裁でもいっているのは、人身攻撃にあたるかどうかですよね。また、人格的なものを否定するものであればそれは侮辱的表現という形で、名誉毀損でなくても侮辱的表現で違法行為が成立する場合がある。侮蔑罪の刑罰も重くなった。  今までは拘留(1日から30日未満の刑務所収容)か、科料(1000円以上1万円以下の罰金相当)でした。それが、1年以下の懲役または30万円以上の罰金も加わり、引き上げとなりました。今まではよほどのケースじゃないと侮辱罪に問われることが極めて少なかった。それがあまりにも悪質なケースとして認められれば、しっかり罰する方向になってきています。
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誹謗中傷は誰にでも起こりうること
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