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虐待、借金800万、離婚…壮絶な過去を背負った地下アイドルが、それでも前を向く理由

地獄の幼少期に負った深い傷

窒圧5トン 彼女が生まれたのは北海道北見市。ちおの幼少期から高校を卒業し上京するまでの期間はまさに地獄そのものだった。彼女は幼い頃より母親によるネグレクト、DVなどあらゆる虐待を受けてきたという。物心ついた頃から大人の顔色を伺い「殴られないための行動」をとることだけを考え、本当の意味で生きることに必死だった。 「両親は小さい頃に離婚してて、母はいつもどこか男のところに行ってて、帰ってきたら暴力ふるうしで……狂ってました。弟がいるのですが、小学校の頃からほぼ弟と2人暮らしで、食べることから何から何まで、全部生きるために必死でした

結婚生活は幸せだったが…

窒圧5トン すべてを聞かずともどんな生活環境にあったかは想像に難くない。今、ちおが抱える精神的な病の根源、心に負った傷がこの頃からのものだと即座に理解できるであろう。母親の愛情を受けずに育ったちおは、その壮絶な経験から自らも愛がわからない、恋ができない存在になってしまったという。 「私、恋ができないんです。幼いころのことが原因で誰かを好きになれなくて。でも結婚には憧れてて、こうみえて結婚はしてたんですよ。結婚というものが自分の人生にどれだけ影響があるのか証明したくて」  頭に疑問符が浮かぶような話だが、要約するとこうだ。結婚生活にあこがれ、彼氏ではない恋人がいる友人男性と形式上の結婚をしたそうだ。夫に彼女がいたとしても結婚生活は幸せだった。だが、ここでまたちおは不思議な選択をする。今度は「離婚という終止符を打つことでまた人生が変わるのか証明したくなって」と離婚することになる。  しかし、離婚のショックは思った以上に大きく、ちおは自らの存在を消そうと試みたが失敗。そんなことを3度繰り返した。
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ファンのために「生きるのが仕事」
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富山県出身。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などを経て2018年に独立。執筆活動のほか書籍の編集、YouTube制作、アーティストマネジメント、ライブイベントなどを行っている。Twitter: @matsudai0228

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