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虐待、借金800万、離婚…壮絶な過去を背負った地下アイドルが、それでも前を向く理由

ミスiD2022で「つくることは希望賞」を受賞

窒圧5トン そんな折に出会ったのが音楽だった。友人とフリートラックの音源を使い、遊びでYouTubeに歌をアップしてみた。シンガーになりたかったわけではなく、本当に遊び程度だった。影響を受けたミュージシャンをあえて挙げれば、大森靖子が好きだったことくらいか。音楽にはさほど興味はなかった。  だが、ここから運命は動き出す。ちお本人すら疑問に思うほどの偶然でドイツ出身の音楽家Iron T Hawk氏にその動画が見つかり、彼から楽曲提供の申し出を受ける。翻訳ソフトを使いながらのやり取りで、ちおは彼と意気投合し、出来た曲に歌詞をつけライブで歌うようになった。これが結果として得も言われぬ雰囲気のステージを更に濃くしていく。  時同じくして、大森靖子が好きだからという理由で応募してみたオーディション、ミスiD2022で「つくることは希望賞」を受賞。活動にはずみを付けた。

ファンのために「生きるのが仕事」

窒圧5トン「本気で音楽で売れたいとか、売れるとは今でも思ってなくて。そもそも私の音楽は日本では売れないので(笑) だけど今はアイドルとしてファンの方がいるのでファンのために生きてます。生きるのが今の私の仕事なんです」 インタビューを通してちおは何度も「私は生きるのが仕事」と繰り返し強調してきた。今のちおはファンのために毎日ツイッターで「みんなで一緒に(わたしを)生きのばそう」といったニュアンスでツイートを続けている。 「音楽というより私はツイッターなんですよ。これで書き出すことで整理して今日も生きてるんだって思ってます。アンチにだってDM全部返しますからね! アンチからのDM待ってます(笑)」
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富山県出身。中央大学法学部卒。在学中より故・永谷修氏に師事。文藝春秋『Sports Graphic Number』編集部などを経て2018年に独立。執筆活動のほか書籍の編集、YouTube制作、アーティストマネジメント、ライブイベントなどを行っている。Twitter: @matsudai0228

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