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女子学生バイトを襲った板長のセクハラ「応じないとクビに」自宅に乗り込んだ不倫の顛末とは

メンタルクリニックを受診するまでに

 だが「辞めたいけど、でもすぐに別のバイトが見つかるという保証はない」と不安が募った恵梨さん。とうとうメンタルクリニックで受診したという。 「診察後に処方箋をもらうと、ふと『私は何をやっているんだろう』と我に返りました。両親の反対を押し切って専門学校に進学した私は希望に溢れていました。学業を支えるために必死に頑張ってきたんです。それなのに情けない」  これまで一生懸命に自分の夢を叶えようとしていた。ところが、板長は一生懸命な自分を踏みにじっている。「許せない」と心の底から板長の言いなりになっていたことを後悔し、そして報復に出たのだ。 「休日に板長の自宅に電話をしました。電話に出た奥さんに『大事な話があるので、おうかがいします』と伝えて、自宅に向かったんです」

板長の自宅で妻に直談判

恵梨さん

現在はウェブデザイナーとして働く恵梨さん(仮名)

 途中で板長から電話がかかってきた。お前が何を言っても俺が一切知らないからな、という脅しだったが、それに屈せずに恵梨さんはインターフォンを押した。恵梨さんをパン屋でスカウトした板長の妻が玄関で出迎えると、恵梨さんは深々とお辞儀をして、謝罪した。 「バイトの件でお世話になりました。せっかく素敵なお店をご紹介していただいたのですが、板長からお付き合いを命じられて、『応じなければ解雇する』と言われたので、嫌々お受けしました。でも奥様に対して心苦しくて、精神的に参ってしまってメンタルクリニックに通院しています。バチが当たったんだと思います。本当にごめんなさい。奥様にお詫びします」と、これまでのことを全部打ち明けた。  すると板長の妻が青ざめて、「こっちにきて」とリビングに通された。ソファーに座ってテレビを見ていた板長に、妻が「この子がこんなことを言っているけど、本当なの?」と尋ねる。すると「違う、違う、俺は知らない」と板長はひたすら否定をした。  そこで恵梨さんが妻に対して「本当にすみませんでした」と何度も頭を下げる。妻は「本当なの?」と板長に尋ね、そのたびに「違う、俺は知らない」と否定することが続いた。
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風の便りで「お店はビルごと消失」
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コラムニスト、作家。2万人のワーキングウーマン取材をもとに恋愛&婚活&結婚をテーマに執筆。難病克服後に医療ライターとしても活動。ブログ「恋するブログ☆~恋、のような気分で♪

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