結婚相談所では、顔写真、自分の職業や年収、身長などのプロフィールを登録し、検索で条件に合う人を見つける。当時42歳だった隆さんの条件は「年齢と体重」だった。 「条件を絞り込まずに検索をかけると、5,000人とかヒットしてしまうので、年齢を35歳以下、さらに平均的な体重以下の方で検索しました。そこから顔写真が並ぶので会いたいと思えた人に申し込みをしました」（隆さん） 　一方の真理さんは、「身長と学歴」。 「恋愛経験がほとんどないままの状態だったので、どういう風に男性を選んで良いのかわからず、結婚相談所の方から『最初は大げさなぐらいの設定がいい』と言われて。私は身長が165cmなので175cm以上を条件にしたのと、自分がMARCH（明治大学・青山学院大学・立教大学・中央大学・法政大学）なので、MARCH以上の学歴、年収1000万も条件に入れて検索しました。 　どうしても身長・学歴・年収にこだわりがあったわけではないのですが……今思うと条件が嫌な感じに思えますね（笑）」（真理さん） 　条件が合ったことをきっかけに、まずは喫茶店で話すことになった。お互いに第一印象も良く連絡先を交換、その後は食事デートを重ねた。男性が苦手だった真理さんだが、隆さんに対しては「嫌な感情が全くなかった」という。 「最初から波長が合う感じがしました。隆さんとの会話は女子会をしているみたいにラクだったんです」（真理さん） 　隆さんは「会社で女性社員の女子会にもよく混ざって話をしてたからかな？」と振り返る。隆さんも真理さんに対し「穏やかなお嬢さんだな」と好印象を抱いた。それならば交際からすぐ結婚に至ったのかといえば、そうではなかった。 「結婚相談所で出会った場合、1回目か2回目のデートで結婚に向けた話になることが多いそうです。でも僕たちが結婚したのは3年後。かなり時間がかかりました」（隆さん） 　真理さんは「私は待っていたんですが……」と話す。どうやら結婚に踏み切れなかったのは隆さんの方だったようだ。 　隆さんが「交際」の申し込みをしたのは真理さんだけで、他の人と悩んでいたわけでもないという。なぜそこまで慎重になったのだろうか？ 「もちろん結婚相談所で出会っているからには結婚を見据えたお付き合いをしていました。ただ、結婚は人生で1番大きい選択だと思っていたこともあり、すごく慎重になってしまったんです。学校は転校すればいいし、仕事も転職できる。一方、結婚はちょっとうまくいかないからって簡単に離婚できない。そう考えると、すぐには決断できなかった」（隆さん） 　今は3組に1組が離婚する時代なのだし、そこまで思いつめなくても……と失礼ながら思ってしまうが、それだけ隆さんは真面目な性格なのだろうし、年齢的にも慎重にならざるをえなかったのだろう。