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ゲーム依存は「脳にいいのか、悪いのか」脳内科医の見解は?

読書は問題ないのか?

ベッドで読書をするイメージ「読書だって手元の本を見て、体を動かしていない。どうして、スマホやゲームばかりが悪者になるんだ?」と言う人がいるかもしれません。しかし、スマホと読書では、脳の中の活性はまるで異なります。  本を読み、言葉の意味や文章の内容を理解しようとするとき、理解系脳番地が刺激されます。本の内容を理解して考えをまとめようとすれば、理解系と思考系との連携が強まります。文章を脳の中で音として流しながら読み進めるタイプの人は聴覚系脳番地を使っています。  また、長編ファンタジーなどを読んでいて、いったん、本を読むのを中断しなくてはならない、ということはあるでしょう。本から離れている間も、 「絶体絶命のピンチをどうやって切り抜けるのだろう?」 「なぜ、敵だと思っていたあのキャラは主人公を助けたんだ?」  そんなことを考えていると、右脳の理解系脳番地が働きますし、記憶系脳番地も強化されます。「本を読む」という行為は、文字の情報をインプットし、想像力を働かせ、記憶し考えるなど、さまざまな脳番地が使われるのです。

依存するかが大きな違い

 そして、ゲームと読書のもっとも大きな違いは依存という点でしょう。 「活字中毒」という言葉もありますし、「続きが気になって本を読むのをやめられない!」ということもあるでしょう。しかし、連日連夜、寝食を忘れるほどに本を読み続け、学校や仕事に行けなくなったという話はあまり聞きません。  ゲームを一切するなとは言いません。しかし、ゲームをしない時間を意図的につくり、違う脳のネットワークを使うことを意識すべきです。つまり、スマホやゲームをしない時間を積極的にコントロールする必要があるのです。  ゲームをやめられず不登校になり、食事の時間すら惜しみ、ゲームをとりあげようとすると烈火の如く怒り暴れる小学生。  頑張って勉強して難関大学に入ったのに、ゲームにハマって留年してしまった大学生。  私のクリニックには、ゲーム依存に悩んで来院する人は少なくありません。彼/彼女たちの脳を見るたびに、脳の成長への影響の大きさを感じます。
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一生成長する大人脳

AI社会で老化より怖い脳の劣化

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