仕事

職場にやってきた“スーパー新入社員”の父親。「息子をそばで監視したい」と驚きの行動

子も子なら親も親だった

三田くんは私の目を一切見ようともせず、ただうつむいたままこちらからの言葉にうなずきもしませんでした。ちょっとこれはヤバイかもしれないとその時感じましたね。ヤバイとは、人間としてという意味です」  困惑した表情でそう語った臼井さん。プロジェクトどころではなくなり、三田くんにどう対処すべきか悩んでいる矢先、さらなる出来事が起きたそうです。 「翌日いつものように出社したら、朝一番、私宛にアポなしの面会者がいるというのです。内線で伝えられた名前は『三田』。私は変な予感がしながら応接室に行くと、そこにはビシッとスーツを着た自分より、ひと回り程年配の男性と、なんと三田くんがいました。男性は私を見るなり深々と頭を下げ、自分の息子の失態を詫び、最後に『当面、息子の勤務状況をそばで監視したい』と言い出したんです」  臼井さんは、三田くんの父親の申し出を丁重に断り、その場は父親に引き取ってもらったと言います。 「最近の親子ってこうなんですかね? 子離れしすぎていないとうか、失礼だとは思うのですが、三田くんの親もちょっと非常識だと思いますね

次年度から選考基準を練り直すことに

退職 その騒動のあと、三田くんにはプロジェクトへの参加をいったん外れてもらい、他の同期と同じ業務を任せたと言います。遅刻に関しては、今の所、他の会議では見受けられないとのことでした。 「良い人材って何なんですかね? 確かに、ウチみたいな技術系の会社だと経験やスキルがあればあるほどウエルカムなんでしょうが、やはりチームワークは大切であって、それが欠けていると無意味なんですよね。今回痛感しましたよ。ということは、三田くん以外は、今までウチはとっても良い人材が来てくれていたということですかね」  臼井さんは、人事部や総務部とも連携して次年度以降の選考基準に加えるべき内容を検討することにしたそうです。来年は人としての基本的なスキルも、大切な判断基準になりそうですね。 <TEXT/ベルクちゃん>
愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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