更新日:2023年08月16日 18:35
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ビジネスで履いてはいけない靴の特徴と、むしろ履くべき靴とは?

売れているのにNGな靴。その意外な理由とは?

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縦にラインの縫い目がある靴は注意が必要

電車のなかでよく見かける靴のアッパーに縦のラインが入っている革靴があります。この靴、あっという間に壊れます。なぜかというと、靴は横に曲がります。縦に縫い目が入っていると、足が曲がるたびに負担がかかり、ミシンの糸がほつれて、1か月もすれば穴が開きます。私は「縦にパンクしたほつれ」と呼んでいるのですが、これは修理屋でお金を出して直しても、原因は歩行そのものなので、無限に壊れ続けます。つまさきも簡単にぶつけてキズになるので、いいことはなにひとつありません。 この靴のダメなところは、売れ続けていることです。販売員の常套句に、「このラインが足長効果を出して、スマートに見えて人気があるんです」というものがあります。これには裏事情があって、つくっているメーカーにしてみると、革のパッチワークなので取り都合がものすごく効率的で、コストがとても安くすむのです。 そしてショップも売りやすく、事実売れるものだからまた発注がかかるという悪の循環があります。セールの主力もたいていこのデザインで、犠牲になるのはいつも買うほうです。手入れをしても、靴がキレイに見えるのははじめの1か月だけ。店員の常套句その②に「ラインが変則的なので、オンでもオフでも使えますよ」というものもあり、いやいや、使えませんって! 休日にデニムやチノパンに合わせて、この手の靴をがんばって履いてる方を見かけますが、おしゃれに履いている方は皆無です。普通に考えて、オン・オフ兼用の靴はないと思ってください。
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「オンでもオフでも履けます」という罠
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こまつ(本名・佐藤靖青〈さとうせいしょう〉)。イギリスのノーサンプトンで靴を学び、20代で靴の設計、30代からリペアの世界へ。現在「全国どこでもシューフィッター」として活動中。YouTube『シューフィッターこまつ 足と靴のスペシャリスト』。靴のブログを毎日書いてます。「毎日靴ブログ@こまつ

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